夏の夕暮れ ページ12
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夏の夕暮れ。
うだるほどの暑さはなくなり、少しだけ涼しい風の吹く夏の夕暮れ。
ってさ、子虫が湧くよね。
『ええい!うっとうしい!』
JM「Aって虫嫌いだっけ?」
『好きではない』
宿舎までの帰り道。
自分たちの伸びた影を追いかけながらオッパと二人でのろのろと歩く。
まとわりつく子虫達を北斗の拳で払う私をオッパがうっとうしそうな顔で見る。
『でも、こうやってしつこく付いてくる虫を見ると、この虫はもしかしたら前世の私の恋人の生まれ変わりなのかもしれない。なんて思うくらいには私ってロマンチストですよ』
JM「臭うだけでしょ」
『失礼な!
確かに汗っかきではあるよね』
JM「赤ん坊みたい」
そんなこと。
ケラケラと楽しそうに赤ん坊みたいな笑顔を作るジミンオッパには言われたくないわけで。
でも、そういや珍しく今日一日喧嘩しなかったなぁなんて思っていると…
『うぎゃあ!』
JM「うわ」
耳の横を大きなクマバチが飛んでいって、その羽音に驚き思わずオッパにしがみついた。
『びっくりした!!
通行料とるぞこの野郎!
…ん?
オッパ?』
しっかりと私を受け止めてくれたオッパだけど、
ピクリとも動かないことに気がつき、抱きついたまま彼の顔を見上げる。
JM「…あの、さ。
お前、男に触られるの無理になったんじゃなかったの?」
『…え?
ああ、はい。
ちょっと今怖いところあります』
JM「じゃあ、なんで俺は平気なの?」
『そりゃあだって、オッパはオッパですもん』
なんで?と聞かれれば少し困ってしまう。
でも、こうやって今、抱きしめてくれてるオッパの腕が私を守ってくれる手だってことくらい、馬鹿な私だってわかるよ。
伝わってくる暖かさに、心から安心するから。
それとね。
あの男の子には悪いけど。
『さっき、走ってきてくれた時、
本当は嬉しかったです』
大事な妹だって言ってくれて、すごく嬉しかった。
JM「…なに、それ。
あー、もうなんだよそれ」
『お』
力が抜けたようにだらんと私にもたれかかってきたオッパを、おっとっとと支える。
JM「怖がらせたくなくて、ずっと我慢してたっての」
『え?』
JM「なんでもない。
ばか」
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キム・カズ(プロフ) - ミロさん» 一生付き合っていきまーす(ハート) (2020年6月19日 0時) (レス) id: 2561bedadd (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - あすきさん» 3回も!光栄すぎます…!!書いてて楽しいお話なので、また続編でお会いできたらうれしいです!頑張って戻ってきますねー!(о´∀`о) (2020年6月18日 21時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - さっちゃんさん» そんな映えある枠に入れていただき本当に恐縮です…それにとっても嬉しい(//∇//)さっちゃんさんいつもコメントから優しくて暖かいお人柄が伝わってきて、こうやってやりとりをするたびにほわっと癒されております。いつも本当にありがとうございます。 (2020年6月18日 21時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - チムチムさん» わぁい!!嬉しいです(*^^*)私もホソクさんにこんなこと言われたら溶けてなくなってしまいます!にやにや (2020年6月18日 21時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - 湯海さん» (笑)(笑)(笑)そうなんです。ツンデレが好きなんですとにかく。MJではなく道明寺なんです。(嵐大好きです)ホソクさんは、私がハマっちゃってるのが伝わるくらい美味しいとこ持ってくキャラとなりつつあります。そんな彼にまた続編で会いに来てくださいぃい! (2020年6月18日 21時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミロ | 作成日時:2020年5月26日 23時