紅一点干物女の憂鬱 ２

消えたお姫様【TH】 ページ42

　


A探さないでください


　


グループトークに残されたAのメッセージを見て思わず震える。
なんてことだ。


　






うちの妹は、本当になんてバ可愛いんだろう。

律儀に家出しますと申し伝えてくるあたりたまらなくアホで可愛くて、

苦しい。


　
JM「昨日カリカリしてたもんね」
HS「ヒョンが婚約婚約騒ぐから吐き気がしたんじゃないですか？」
JN「せめて嫌気がさしたとかって言ってくれよ」

　

とにもかくにも、俺たちのお姫様が家出してしまった。
　


HS「なんで急に」
NJ「俺達が怒らせた事は間違いないな」
JM「え…びっくりする程心当たりない」
JN「お前は限りなく黒に近いぞ」

　
確かに。
ジミンはよくAを怒らせてるけどあれはわざとだ。ころころ表情を変えるあの子を楽しんでるだけで、本気で怒らせることはない。


HS「てか、原因これじゃない？」
JN「ね」

　
げんなりとした顔をするホソギヒョンの視線の先には食べ散らかしたゴミが撹乱した机。
ていうかリビング丸っと汚い。

そういえば。

いつもどれだけ汚しても、いつのまにか綺麗に片付いてたような気がする。

　

JM「ヒョン達さー、Aは家政婦じゃないんだよ？」
HS「お前が言うなよ」
JK「もー、どうするんですか！ヌナが怒るなんて滅多にないのに！」


　
ぷんすか怒るグギに、ナムヒョンなんかはずっと青い顔をしている。心当たりがありすぎるくらいあるんだろう。

　

NJ「とりあえず仕事は行って、帰ってきたら身投げします」
JN「気をしっかりもちな！」
YG「俺今日オフだし探すわ」
JK「僕もオフです！」

　

あー、俺は今日撮影あるや。
ユンギヒョンとジョングクじゃ任せられないんだけど。

　


だって…


　



「ヒョン、本当に何も覚えてないんですか？」
YG「何がだよ」
「じー」
YG「あ？」

　


俺は見てしまった。
寝ぼけてたからハッキリとではないけど、重なった二つの影。


それから、


　


YG「いてっ。なんだよ！」
「ヒョンなんか嫌い」
YG「あ？」


　



Aの…
赤く染まった見たことないような可愛い顔。
いや、いつも可愛いけど…あれは格別。

相手がヒョンじゃなければ今頃発狂してたかも。

　
だけど、相手がヒョンじゃなければこんなにも苦しくなってなかった？

どうだろう。

人の心って時々すごく難しい。

　

会いたいよ、A。
全部全部謝るから…

目の届かない所に行くのはやめてよ。
不安でたまらなくなる。

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