紅一点干物女の憂鬱 ２

嫌いになりそうだ ページ24

HS「うん、いいね今の。
はい、次」
『くぅっ！
はい、お願いします！』


　

オッパの指導は、やっぱりとんでもなくきつくって。
だけど、安心する。
これこれーって私の体悲鳴あげながら喜んでる。

　

怖。いつのまにか調教されてたわ。


容赦なんて無いけれど、ホソクオッパは私が出来ないことは言わない。




　









AR「…ホソク？」
HS「ヌナ」




　
練習室の扉が再び開いたのは、オッパと練習を始めて1時間程が経った時だった。


　

AR「どうして、ホソクがAさんを教えるの？」
HS「…ヌナ？」
AR「DNAのダンスを任されてるのは私よ。
ソンドゥク先生に全てを一任されてるの」
『ご、めんなさい、アリン先生。
私がなかなか上手く出来ないから、オッパが…』

　


いつもの穏やかな雰囲気を消し去った先生に、慌てて走り寄ると、私を見た彼女にドキッとして足を止める。



　
AR「Aさん、もしかして私のことが嫌いなの？」
『！絶対に違います！』
AR「じゃあ、どうして全然上達しないの？」
『それは…ごめんなさい』
HS「ヌナ、言い過ぎだよ」
AR「…、
ホソク。私、今回は失敗したくないの。
私の気持ちもわかってよ」
HS「ヌナ…」


　

ついにハラハラと泣き始めた先生。


　


　



　




『先生、』

　

彼女の背に触れようとした手をオッパに止められる。
私を見て首を振った彼は、先生の背に触れ、彼女を連れて練習室を出ていった。

　



1人残された練習室で、2人のことを待っていたけれど、ついに彼らが戻ってくることはなくて。

周りに迷惑しかかけない自分を嫌いになりそうになりながら、その日も夜遅くまで踊り続けた。

　




泣くな、泣くな。

辛いのは、私じゃなくてアリン先生なのだから。




　









・






　









TH「A？
なんか顔色悪くない」
『そんなことないですよ』



次の日、宿舎に帰らずに練習を続けた私を見て、テテオッパが心配そうに眉を潜めた。


すぐにアリン先生がやってきたけれど、彼女とは一度も目が合わなくて。

　


ホソクオッパとも…なんだか少し気まずくて。


　




『…っ』


　






動く度少しずつ、目が回り始めた。

寝てないからかな？

体が熱くなって、言う事を聞かない。




だめだって。
また先生を、皆を失望させてしまう。





　
　









「A！！」


　

体に伝わった強い衝撃の後、


最後に私の耳に届いたのは、
誰かが私の名前を呼ぶ声だった。

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