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君が幸せであるために【TH】 ページ18

胸の奥、ずっと凍ったように固まっていた心がするすると溶かされて、暖かくなっていくのを感じる。




優しくて、心地がいい。


Aの隣にいられたら、いつだって俺は幸せだった。


これは、俺が手放した幸せ。






そして、もう手が届かない。






「Aは、ジョングクのことが好き?」

『…大事な人であることは確かだよ。』

「そっか。

じゃあ、そばにいてあげないと。」

『だけど…』

「俺なら大丈夫だよ。病院抜けてきたんでしょ?

戻ってあげて。」








付き合っていた頃、Aはたまに俺の家に遊びに来たいと言っていたけれど、俺はそれを断り続けていた。



何故かわからないけれど、ジョングクに会わせたくなくて。









俺の勘は正しかったと思う。




だって、気づいてしまったから。




ジョングクのAを見つめる目が、とても暖かいことに。

何度記憶を失っても、それは変わらなくて。


こうなること、なんとなくわかっていたんだろうな。




それから、

あいつの秘密を知ってしまったから。











『ねぇ、テヒョン。もう一度だけ聞いてもいい?』

「なに?」





『私をふった理由って、本当にジョングクのことは関係ないの?』
































「…ないよ。」











全部、本当のことを話したけれど。



別れた理由だけは言わなかった。

だって、優しいAは、言えばきっと迷ってしまうでしょ?

だから、言わない。


もしかしたらもう気づいてるかもしれないけれど、

でも。








『…そっか。』

「うん。

Aとまた友達に戻れて良かったよ。」

『調子いいなー。

私これでも結構…、まぁいいや。
なんだかんだ私ってテヒョンのことすごく好きだし?』

「いひひ、

俺もAが大好きだよ。」

『…ありがと。』













本当に。


そんな言葉じゃ足りないくらい、今日も君を思ってる。





ジョングクのところに戻っていく背中を見送りながら、Aの幸せを願う。




だんだんとジョングクに惹かれていくAを見るのは辛かったけれど、それでも俺は2人と一緒にいたかった。


あの家で3人で過ごす時間は、事実とても暖かかったから。












どうか。


俺の大事な人たちが、今日も幸せでありますように。

薔薇の香り→←懐かしい暖かさ【TH】



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設定タグ:BTS , 防弾少年団 , テヒョン、ジョングク   
作品ジャンル:恋愛
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kairu(プロフ) - こんなに心を揺さぶられる作品は初めてで本当に読み終わった事が悲しいやら、嬉しいやらです。本当にひとつの素晴らしい映画を見終わった様な気持ちです。ジミンペンなんですけど、グクペンになりそうです。まだ涙が止まらないです。素晴らしい作品ありがとうございます (2021年4月27日 19時) (レス) id: df72f9e897 (このIDを非表示/違反報告)
リユン - すごい感動しました!読んでいくうちに自然に涙が溢れてきて、読んでよかった!!という気持ちになりました、! (2021年2月14日 23時) (レス) id: 00bef8cb3c (このIDを非表示/違反報告)
あいり(プロフ) - そんな…泣かさないでぇ。涙枯れる (2020年11月28日 14時) (レス) id: e9d90d82df (このIDを非表示/違反報告)
kurikurina(プロフ) - すごい感動しました!!私が好きな小説と似ている設定だったので余計にグッとくるものがあって…最高でした!! (2020年9月27日 1時) (レス) id: 5527e740c4 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - オトさん» わぁあ!それは嬉しすぎるご連絡です。すごく嬉しい・・・ありがとうございます!!(o^∀^o)どちらも思い出深い作品なので、そのように言っていただきとても嬉しいです。ありごとうございます。これからもよろしくお願いします。 (2020年9月1日 23時) (レス) id: b1cdd73458 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミロ | 作成日時:2019年9月29日 23時

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