続★マシンヌンキム家 ４

雪の王様が怒ったの ページ32

『大丈夫だよ。ソクジン先輩が絶対に連れて帰ってきてくれるから。心配しなくても大丈夫だよ。』

HS「大丈夫って二回言ったよ。」

NJ「不安さがにじみ出てるね。」

『。』


　

　





いかん。

この子どもたちするどい。

　


猪突猛進型の私は、待つだけのこの時間がとても苦痛なんだ。

だめだ、これ役不足かもしれない。

　





やばい、まずいとだらだらと汗を流していると、
何かに気づき、トコトコと駆けていったジミン君に気がつき、不思議に思って彼の後を追う。





JM「テヒョンアっ！」

　


施設のロビーの隅の隅。置かれた椅子の陰に隠れて蹲るテヒョン君の姿。

　

JM「テヒョン…どしたの…？」

　

その隣にしゃがみこんだジミン君が頭を撫でてあげているけれど、彼は俯かせた顔を上げようとしない。


　
JM「…っ、

ふぇ、」

　

そんなテヒョン君を見て、これまで気丈に頑張っていたジミン君の目にも涙が滲み出した。

　


『テヒョン君？

どうしたの。おいで？』

TH「…。」

『ほーら。

顔上げて。ふん！！っぐはぁっ！』

　
蹲ったままふんばるテヒョン君を無理やり抱き上げたせいで、少しの間落ち着いていた腰が火を吹いた。
　



JM「ヌナ…」

TH「A。だいじょぶ？」

『ももももちろん！！


…テヒョン君こそどうしたの？
二人が心配？』

TH「ん、いまはAもしんぱい。」

『有難う。』

　


震えながら床に這いつくばる私を見て、涙は止まったらしい二人だけど、変わりに何かキテレツなものを見る視線を向けてくることにほんの少し胸が痛んだ。
　

だけど、じっと見つめる姿が可愛くて、思わず二人の頭を撫でると、それを拍子に、再びテヒョン君の目から涙がこぼれおちる。

　



　



TH「…っ、テテのせいなのっ」

『え？』

TH「テテが、ゆきだるまポイッてしたから、ゆきのおうさまがおこったの。
あのゆきだるま、テテたちだったのに…っ」

　

ヒックヒックと嗚咽まじりにそう言った彼は、ごめんなさいと何度も謝りながら、私にしがみ付いて大泣きする。

　


『雪だるま？』

　

なんのこっちゃと首を傾げたけれど、すぐにあのソリに乗ってたたくさんの雪だるまの家族を思い出す。

　

『ああ！…そうか、そうか。
それなら大丈夫だよ、テヒョン君。』

TH「え？」
　

　

なんてピュアな子なんだろう。



しくしくと泣くテヒョン君に声をかけると、顔を上げてその大きな瞳に私を映す。

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