キレた【YG】 ページ25
・
「っ、」
人が人を殴る鈍い音の響きに思わず目をつむる。
だけど、痛みも衝撃もないことに、不思議に思って目を開くと…
「!!ヌナ!?」
『…、
いったぁぁぁぁぁぁああああ!!!』
目の前には顔を抑えてもだえ苦しむヌナの姿。
「ちょ…、
何してんだよ!?」
ぬぉぉぉお、と地の底からの叫び声をあげるヌナを助け起こすと、真っ赤に腫れたほっぺたを抑えて、涙目で俺を睨みつける。
『それはこっちのセリフだわ!!!!
なんで相手を挑発すんの!!!!』
「それは、あいつらが…」
『ばっか野郎!!
メダカだって、オケラだって、ゴミムシだって、皆皆生きてるんだ!!友達なんだ!!!???』
「…はあ?」
『あんた達も!!!!』
痛みのあまり変なスイッチが入ったのか。
柄の悪い連中に向けて指を指すと、また大声でまくし立てる。
『私というれっきとした乙女がいるのに、ユンギ君ばっかチヤホヤするってどういうことだよ!!!』
「…そこ?」
『挙句の果てに、女の子の顔面ぶん殴るなんて、絶対許さないんだからね!!!』
男「いや、それはあんたが勝手に飛び出して…」
『言っとくけど!
男に顔面殴られたの初めてじゃないからぁぁあ!!私ぃぃいい!!!』
何の自慢ですか?
「ヌ、ヌナ。あんまり叫んだら傷に響くんじゃ…」
『うるさーい!!
ユンギ君もユンギ君なんだからね!!
もっと自分を大切にしてよ!!
…私、あなたに何かあったら、
耐えられないんだからね…っ!』
「っ、」
今の今まで顔を真っ赤にしてぶち切れてたくせに…。
今度は心から心配そうな顔で俺を見て、ケガはない?なんて泣きそうな目をして聞く。
コクコクと頷くと、安心したようにその場にしゃがみ込んだヌナに、
そこでやっと俺は、彼女に悪いことをしてしまったと、胸が苦しくなった。
ふと、男たちに目を向けると、さすがに女を殴ってしまってまずいと感じたのか、そろそろと逃げていこうとしていて、慌ててヌナの服を引っ張る。
『あ!!逃げるな!!!』
そう、ヌナが叫んだのとほぼ同じタイミングだった。
「ワンワンワンワン!!!!」
俺たちの救世主(イッヌ)が現れたのは。
3739人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
タハ - 最初からずーっと読ませていただいてますが、やっぱりこのお話は面白いです!! これからの主人公とソクジンさんの展開、とても楽しみです☆ (2020年5月18日 9時) (レス) id: ee578eb3c2 (このIDを非表示/違反報告)
bts-vminkook - 私、このお話大好きです!♪ 皆の個性がうまく書かれてて 本当に面白くて元気出ます! 主人公ちゃんがふざけるのが 好きです!♪*w これからも頑張って下さい! (2020年4月23日 21時) (レス) id: 4f9c9c509a (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - お塩50%さん» 何回も読んでくださったなんて、本当に嬉しいです!^_^続きについては、今ネタをまとめて少しずつ書き始めているので、近々公開できるかと思います!あと少しお待ちいただけると嬉しいです!(*^^*) (2019年12月16日 0時) (レス) id: 990117c315 (このIDを非表示/違反報告)
お塩50%(プロフ) - 何回か最初から読んでしまうほど面白い作品で、主人公とマンネラインの関係が結構好きで本当に読むたびに発狂させていただいてます。これからも更新してってください!ファイティン! (2019年12月14日 23時) (レス) id: e853a97352 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - たまごさん» たまご様 とてもとても嬉しいお言葉をありがとうございます(>人<;)そろそろキム家が恋しく思うので、また続き書かせてくださいね(*^^*)私からもサランヘヨ!!もう一度読んでくださってありがとうございます!! (2019年12月10日 0時) (レス) id: 5bc7eaedbd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ミロ | 作成日時:2019年9月8日 20時