チョンさん家の3人兄妹 ページ2
私にひっつくグクオッパを背負ってリビングに入ると、朝食の美味しそうな香りが食欲をそそる。
JK「ヒョン、俺のご飯は?」
HS「ご飯くらい自分でついで。」
『そーだよ、オッパは何もしないんだから。』
JK「ヒョンー。
Aのこないだの小テストの点数知ってる?」
HS「小テスト?」
『ちょ!オッパ!!』
とんでもない仕返しに、オッパを思い切り睨むけれど本人はぺろっと舌を出し、涼しい顔してご飯をよそっている。
最悪だ。
HS「A?
小テストって?」
『…ごめんなさい。』
終わったよ。
社会人のホソク君に、大学生のグクオッパ。
それから高校3年生の私。
両親の再婚で、お父さんの連れ子だったホソク君と、お母さんの連れ子だったオッパと私は、3人兄妹になった。
3年前、飛行機事故で両親を亡くした私達は、2人が残してくれたこのマンションで兄妹身を寄せ合って仲良く暮らしている。
今でも、お父さんやお母さんを思い出して寂しくなる時はあるけど、2人のお兄ちゃんのおかげで、私は幸せに暮らしている。
・
『うん、今日も可愛い!』
全身鏡に写る自分の姿に自画自賛。
自慢じゃないけど、私の見た目は可愛い方に分類されると思う。
グクオッパに似た丸い瞳に、色素の薄い髪と肌。
染めてないけどほんのり茶色の長い髪の毛は、私の1番の自慢だったりする。
欲を言えばホソク君に似たかったけど、血が繋がってないからそれは仕方ない。
『ホソク君!もう出るの?』
HS「うん。
戸締りよろしくね。」
『わかった!
あのさ、週末の予定なんだけど!』
HS「週末?
何か約束してたっけ?」
『え、してたじゃん!
3人で遊園地行こうって!』
私の言葉にあちゃーと顔を渋くするホソク君に、自分の唇がどんどん突き出ていくのがわかる。
HS「ごめん、A。その日はだめだ…」
『やだ!!』
HS「本当にごめん。
絶対埋め合わせするから。」
『いや!ホソク君のバカ!』
HS「A!!」
私を呼ぶホソク君の声を無視して、家を飛び出る。
追いつかれる前にエレベーターに乗り込み、じわぁっと出てきた涙をごしごしと拭った。
ひどいよ、ホソク君。
遊園地、めちゃくちゃ楽しみにしてたのに。
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ミロ(プロフ) - みみ仔さん» コメントありがとうございます(^ ^)結構最後まで引っ張ってしまったのですが、結局のところ主人公はホソクさんが大好きだったので、他の2人にはすごく申し訳ないながらも、私もこのオチで満足してます笑なのでそう言ってもらえて嬉しかったです(*^▽^*) (2020年4月3日 0時) (レス) id: 5d7ae6ba18 (このIDを非表示/違反報告)
みみ仔 - ホソクさんメインのお話少なくて、またこのような感動的なお話が読めて私は幸せです。また、最後のホソクさんに告白をする場面、テヒョンやグクには申し訳ないですがホソクさんで良かったなと思いました。最後の場面がどうなるか予測不可能でした。(笑) (2020年3月22日 4時) (レス) id: abbe16bc2b (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - さきさん» さき様 ありがとうございます(;_;)今回かなりジョングクが切なくて…。私も書きながら辛かったのですが、共感してくださって嬉しかったです(*^^*)みんなを幸せに出来ないのが辛いところですね。またジョングクも幸せにしてあげたいと思います!!(*^_^*) (2020年3月15日 22時) (レス) id: 5d7ae6ba18 (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - 今回のお話はすごく切なかったです。ミロさんの作品全て素敵で切ない作品と多いのですが今回は特にジョングクの複雑な兄弟愛とテヒョンの優しさが余計に切なくなりました…。すごく感動して毎話泣くくらいの勢いで号泣しました。素敵な作品をありがとうございました!! (2020年3月12日 2時) (レス) id: 71073e79d4 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - よしほさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます(*^^*)読んでくださる方がキューってなるといいなと思って書いたので、ガッツポーズしちゃいました(*^^*)他のも読んでくださるのですか?とても嬉しいです!是非仲良くしてください!(*^_^*) (2020年3月10日 22時) (レス) id: 5d7ae6ba18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミロ | 作成日時:2020年2月12日 22時