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帰宅、のようなもの ページ12
『……ただいま』
Aがバイトから帰ってくる頃には、もう辺りは暗くなりかけていた。
Aは玄関の戸を開けるや否や、ポケットから煙草を出し、ライターの火をつける。
が、
「もう辞めちゃえば？煙草なんて」
というダリの言葉が頭を過ぎり、一度煙草を口から外す。
『………くそっ、』
Aはそう言って眉間に皺を寄せると、再度煙草を口に咥え、火を付けた。
煙草の味を噛み締めながら、リビングへ向かう。
リビングには飛び散ったゲームの破片が散らばり、灰皿は煙草の吸い殻で埋め尽くされていた。
Aは散らばった残骸を足で端に寄せ、テーブルの前に腰掛ける。
煙草を口から外し、火口を指で抑えながら煙を吸い、そして吐き出す。
『……』
Aは溜息と共に煙を吐き出した後、テーブルの上の灰皿に煙草を押し付ける。
そしてまた新しい煙草を一本咥えると、ライターで火をつけ、吸いながらドカッっと椅子に座った。
『＿＿＿＿』
Aはそう呟けば、灰皿に置いた煙草を手に取り口に咥えた。
続く
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作成日時：2023年9月14日 22時
