不本意ですが拷 問コンビ ページ9
「……………………」
ああ、、何だよマジで。モネ先生のあの踵落とし。
天使かと思った。
美しい、の一言に尽きる。
絵本にしか出てこないような、よく分からないけど、見返りを求めない、善の塊みたいなやつ？
それに見えたんだよ。
俺が教師と遭遇している、それを見て、助けてくれるのか？ そう思った。
くそマジで許さねぇ、あの音楽担当…………
音楽祭でも、全部持っていきやがって…………
あんなちゃっちい楽譜にこだわるな、って………………
「僕の専門分野だ！」
「拷 問学と魔具の関係性は深いんだよ！ 拷 問魔具にも、たくさん種類があるんだけど、ジャズ君は…………」
どれから使ってみたい？
「…………オススメでッ！！」
大丈夫、大丈夫。
なぜなら、俺の計画は、、
全てがうまくいっている。
一つ、公平な勝負など、勝負ではない
一つ、備えを怠ったヤツは死 ぬ
一つ、表情は、余裕と焦りの中間で
そうして、最後に頼るのが…………
大事に大事に隠してた、とっておきの切り札さ……！！
ジャズがめちゃめちゃに計算しまくっている、この様子、実は、マルバスは録画をしていた。
理由は単純。
モネに買収されたからである。
ジャズは多分、そこまで気づいた上で、カメラに不敵な笑みを浮かべているのだろう。
現在、カルエゴ達のせいで、全く生徒に遭遇しないモネではあるが、このシーンを想像しながら、自分を励ましている。
さっさと、その顔を歪ませろ、と、なかなかに教師としてヤバい思考の持ち主である。
が、それは、知っているから。
専門家のテクが、いかに凄まじいか。
人生初、しかも、思春期である今、拷 問を受けることが、どういうことなのか。
“警戒できない”ことほど、怖いものはない、ということを。
その身をもって、知っているから、である。
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作者名：Sela | 作成日時：2023年3月26日 23時
