女の子の昔話 ページ4
ーーそう、魔力の才が無かったので、親は、女の子を追い出してしまったのです。
1人彷徨う羽目になった女の子は、とある男に拾われます。
それが、とあるアクドル事務所の、社長さん。
彼に言われるがままに、アクドルとして、たくさんのことをしました。
綺麗なことも、汚いことも。全部、全部。
生きる為には必要なことでした。でも、それはしんどくて、辛くて。
生きる為、たくさんの悪魔のご機嫌取りをしました。
社長さんと、マネージャーさん。
この２人だけの言葉を信じて、頑張ってきました。
そこから、長い年月が経ち。
社長さんは、実は悪い悪魔だったと判明しました。
よくわかりませんが、いけないことを常習的に行っていたようです。
社長さんを信じていた女の子は、ショックな気持ちでいっぱい。
しかし、さらに不運は続きます。
社長さんが、嘘をつきました。
モネも、かなり悪いことに手を染めている、自分は唆されたんだ、と。
でたらめです。
でも、生きる為に、小さな汚いことをしたのは、確かな事実です。
社長さんの演技力と、女の子の後ろめたさ、そして、社長さんのした悪いことの重大さがあり、女の子は拘束されました。
そして、拷 問されました。
実際にしたのは、マルバス先生に似た悪魔だったけれど、そこには、見張り役として、助っ人・ダンタリオン・ダリがいました。
ただでさえ乏しくなっていた感情が、完全に砕かれた瞬間でした。
結果、真実がちゃんと分かったので、アクドルは辞めて、ちょっとだけ牢獄で過ごしました。
すぐに出られました。
しかし、いざ出ても、何もできることはありませんでした。
事務所に住み込み，収入はアクドルとしての仕事のみでの、生活をしていたからです。
そこに現れたのが、バビルスの理事長さん。
何を思ったのか、ダンタリオン・ダリのいるバビルスに、事務員として来ないかと誘いました。
渡りに船。お給料をいただける。
飛びつきました。
もちろん、社長さんの悪を完全に捌ききれていなくて、不安要素を取り除く為の監視とは、わかっていました。
でも、あんなに怖い顔をしていたダンタリオン・ダリが、心から笑っているように思えたのです。
あの悪魔が本気で好む居場所、教師。
ただの好奇心。でも、それこそが、
フェネクス・モネが誕生した瞬間。
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作者名：Sela | 作成日時：2023年3月19日 10時
