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ヴァイオリニストのピアノ ページ44

「すごっ凄くあのっ、大人というかっ!! ねっプルソン君っ!!!」

「うん、あの、非常にヤラ…………美しいというか、綺麗というか、、」



「……私の演奏でこの調子では、今日はもたんぞ」

「「は?」」

「モネ先生、見本を」

「は?」



え? 何よ突然。
これの次に、私に演奏しろと? 鬼なの。鬼ね。鬼よね。

「見本は先程、カルエゴ先生の演奏が、」

「モデルは多い方が良い」

あー。そうですか。知らねぇよ。

「え、モネ先生やっぱりピアノ上手いんですか!」

「専門ではないです」


嘘ではない。
私の専門は、歌。

強いて言うなら、ヴァイオリン。あと、フルート。

断じて、ピアノではない。


「あのレベルで専門ではないなどと言うのは、どうかと思うが」

「そのお言葉、そっくりそのまま、お返し致しますよ、カルエゴ先生」

カルエゴ先生との見つめ合い、、モモノキに絞められそう。

私だって、したくてしている訳ではない。

断じてない。

誰が好き好んで…………………モモノキか。


さて、どうしよう。
相手がカルエゴ先生1人ならまだしも…………


「「……………(期待の眼差し)!!!!」」


……うわ気まずっ。


「………………先程カルエゴ先生の演奏を拝聴しましたから、多少なりとも、影響されているとは思いますが、」


まぁ、リリス・カーペットは、私もよく演奏していたものだし。



誰かに恋焦がれる……どんな感情なのかしら。

演奏する度に、周囲の人に褒めていただいたけれど、自身では、あまり良くわかっていない気がする。


『恋』の定義は、特定の悪魔に強く惹かれ、思いこがれること。

『愛』の定義は、対象をかけがえのないものと認め、それに惹きつけられる心のこと。


恋を求めて彷徨うーー


それだけは、リリスと似ているのかもしれない。









 






「「………………」」








ぶしゅう……………………













「おい、、コイツらが練習できなくなる、程の演奏は、やめろ」

「カルエゴ先生も、ご指導できそうに無いので、問題は無いのでは?」

「粛に、、、」

「説得力無いですよ」

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作者名:Sela | 作成日時:2023年3月7日 23時

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