210話 ページ14
部屋に戻ったらまた静かな空間に戻る
やっぱり何かしていたいけど、勉強は流石に試合の2日前だし、体力作り…はご飯食べたばっかりだし…うーん
何かないか周りをぐるっと見渡すと机の上には自分の部屋から持ってきた少し汚れたサッカーボールが置いてあった
ドアをノックする音が聞こえて、動かしていたボールを止める
「どうぞ〜」
「何やってるんだ?」
「え、れ、練習?」
ゴッゴッとボールが壁にぶつかる音に疑問を持ったのか、豪炎寺と鬼道が部屋を訪ねてきた
とりあえずボールを元の位置に戻して2人を部屋に入れる
「俺には久遠監督の考えていることが分からない。それに呪われた監督という噂、桜咲木中を地面に巻き込んだ過去、そして、今回の事」
呪われた監督
10年前、桜咲木中学校の監督をしていたが、フットボールフロンティア決勝戦前に問題を起こしたことで決勝を棄権した過去があるらしい
私はそこは言ってしまうとあまり興味がない
というより、もう過ぎたことだから気にしてもしょうがないと思う
「気持ちはわかるぞ鬼道。だが、俺は監督に従うつもりだ」
「うん。私もそうなんだよね」
「えっ」
過去をずっと見ても変わらない。過去よりも大事なのは今だ
「あいつだ。円堂が久遠監督を信じている限り、俺も信じる」
どこからともなくドン、ドンと音がして、私たちは自然と部屋を出て音の正体、発信源を辿る
「我慢できなくなって、とうとう部屋の中でも始めたのか」
壁にボールを当て、トラップを繰り返す円堂のタイミングを図り、狭い部屋で豪炎寺が横取りする
「豪炎寺!」
「打て、鬼道!」
咄嗟に足を振り下ろし構える円堂に向かってシュートを放つ
「練習していたのはこいつも同じだな」
2人の視線につられて円堂が私を見た
「世界一って考えたことあるか?」
あるわけない
フットボールフロンティアに出たわけでもない私が、本来なら性別の壁で出場できなかったこの大会に出られること自体が奇跡だ
「どんな凄い奴らなのか、どんな技を持っているのか。そして、そいつらに勝つことが出来たら世界一なんだ」
「そんなことを考えていたらもうじっとなんかしてられない!」
未知の領域
海を越えた選手と戦えるなんて私も夢にも思わなかった
「俺さ、みんなと一緒に見てみたいんだ!すっげーヤツらとぶつかり合って、勝ち残ったやつだけが見れる世界一のサッカーってのを!」
今度は私も一緒に、共に世界一を目指せる
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染岡さんの愉快な仲間たち(プロフ) - 調味料さん» ごめんなさい、勘違いだったらごめんなさい。210話の事件から地面になってます (2020年7月5日 12時) (レス) id: 972de952e4 (このIDを非表示/違反報告)
調味料(プロフ) - ありがとうございます!主ちゃんの実力はこういった努力の賜物が多いですね。これからも頑張ります! (2020年4月1日 16時) (レス) id: 6e1f936d79 (このIDを非表示/違反報告)
きらら(プロフ) - 続編おめでとうございます!お話がとっても好きで何時も見させてもらっています!これからも体調などに気を付けて自分のペースで更新頑張ってください!応援してます!…冬花ちゃんに惚けたり通学中に頑張ったりするとか主ちゃん可愛いかよ() (2020年3月31日 22時) (レス) id: 36a6836253 (このIDを非表示/違反報告)
調味料(プロフ) - 豪炎寺修也推しさん» ありがとうございます!!頑張ります!! (2020年3月30日 0時) (レス) id: 6e1f936d79 (このIDを非表示/違反報告)
豪炎寺修也推し - 続編おめでとうございます!エイリア学園編おもしろかったです!FFI編も楽しみにしています!これからも更新頑張って下さい! (2020年3月28日 20時) (レス) id: e2e58e1092 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:調味料 | 作成日時:2020年3月28日 18時