2話 ページ3
それから私はコーヒー以外のメニューにも対応し、ほぼ全てのメニューを扱えるようになった。
数日後の閉店作業の時間。
グルッペン店長が床掃除をしていた私に声をかけた。
「A、だんだんとコーヒーを淹れるのに自信がついてきたみたいだな」
「はい、おかげさまで」
「大体のメニューはもう任せられるようになったし……あと教えるべきことは…ラテアートだろうか」
「ラテアート…ですか?」
「あぁ、この店でもラテアートを繊細にできる店員はそうそういない。だが、ぜひAに覚えてもらいたい」
「…なるほど」
「おい、オスマン!ちょっとこっちに来い」
キッチンの水周りの掃除をしていた男の人が、グルッペン店長の声に気づき、こちらへ向かってくる。
「はい、なんでしょう?」
「閉店後の時間を使って、Aにラテアートを教えてやってくれないか?」
「…閉店後ですか」
男の人は眉と細長い糸目を下げ、困った顔をしている。
「もちろん、残業代は1.5倍で出す。安心しろ」
「やります」
「よし、そうと決まればA、ここの掃除は俺がやっとくから、オスマンに教えて貰ってくれ」
「は、はい。分かりました」
持っていたホウキを渡し、彼と一緒にキッチンへ向かう。
彼はよく仕事で一緒になるのを見かけるが、あまり話したことがない。注文の受け渡しで話すくらいだろうか。
「えーと、あまりしっかりと話したことないよね。俺はオスマン。よろしく、Aさん」
「あ、は、はい。よろしくお願いします」
柔らかめな口調でゆっくりと話す彼。いつもお客様に向かって話す口調よりも、はるかに柔らかい。
…普通逆なんだけど。逆に柔らかすぎて、接客の時はテキパキと話しているのだろう。
「まだこのカフェに入りたてなのに、もうラテアート段階まで来るなんて凄いね。もしかしてラテアートもすぐ習得しちゃったりして」
「いえ、そんな…頑張ります」
「ん、いい心意気だ」
それから私は彼にラテアートのコツを教えてもらい、練習していった。彼の教え方はとても上手かったものの、なかなか教えてもらったように出来ない。これはかなりの練習が必要だ。
ラテアートの練習は、閉店してから1時間ほどまで練習は続いた。
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ゆゆもち - マンちゃん大好きなのでめちゃめちゃ助かります…!!爽やかマンちゃんもかっこいい!! (2021年11月28日 14時) (レス) @page13 id: c0c49f03e7 (このIDを非表示/違反報告)
白楼恋 - ・・・まんちゃん・・・尊い!!・・・やばい・・文才が溢れ出てる・・・・なんかもう白金さん止めた時のマンちゃんイケメン・・・これはハンカチが自分の血で染まりますわ (2020年4月3日 11時) (レス) id: fc9ad241ba (このIDを非表示/違反報告)
美蘭(プロフ) - こゆきさん» ほっこりとしていつつもしっかりしている先輩像が合うんじゃないかなと思って書かせていただきましたが、楽しんでもらえて光栄です( *˙-˙* )こちらこそ読んでいただきありがとうございます! (2020年3月30日 16時) (レス) id: 9739ce79c0 (このIDを非表示/違反報告)
美蘭(プロフ) - いちごスムージーさん» おおおおありがとうございます!あまり見ないですよね、mnちゃんのキャラ掴むのも結構大変でしたが見ていただけてとても嬉しいです!まだ書いていないメンバーも書いていくのでぜひ見ていただけると嬉しいです! (2020年3月30日 16時) (レス) id: 9739ce79c0 (このIDを非表示/違反報告)
美蘭(プロフ) - みかげさん» このシリーズは、全話読み切りなので完結した時点で公開するようにしてます!まだ書いていないメンバーはいるので、次のお話も近日に公開致します! (2020年3月30日 16時) (レス) id: 9739ce79c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美蘭 | 作成日時:2020年3月28日 17時