1話 ページ2
「すみません、アメリカンコーヒー1つ」
「かしこまりました。少々お待ちください」
お客様に一礼し、キッチンへと戻る。
「グルッペンさん、アメリカンコーヒー1つお願いします」
「分かった。と言いたいところだが、A。せっかくの機会だ、実際お前が淹れてみたらどうだ?」
「わ、私がですか?」
「あぁ。アメリカンコーヒーならお前が1番練習してたやつだろ?」
「そうですけど…」
「なら自信をもって淹れてみろ 」
「分かりました、頑張ってみます」
この店のコーヒーの淹れ方は基本的にネルドリップだ。私が練習中に使っていたネルフィルターを手に取り、サーバーへとセットする。
中挽きのコーヒー豆をフィルターへと淹れ、細口のドリップポットでお湯をゆっくりと注ぎ、蒸らす。
数十秒経ったら、続けてお湯を中心から円を描くように淹れていく。
1回では適量は淹れきらないので、3回ほどに分けて注がないといけない。
そしてサーバーへと抽出された駅は濃厚な香りを漂わせた。
「いい出来だ」
グルッペン店長も私が淹れたコーヒーを見て、ご満悦のようだ。
「ありがとうございます」
「もうコーヒーの淹れ方について教えることは無い。よく頑張ったな」
「はい、練習した甲斐がありました」
「じゃあそのコーヒーをお客様の元に持っていきなさい」
「分かりました」
私はサーバーに抽出されたコーヒーをマグカップへ入れる。そこから立ち込める湯気は、更にコーヒーの香りを引き立たせている。
私はコーヒーをお客様の元へ持っていった。
「お待たせ致しました、アメリカンコーヒーでございます」
「ありがとう」
テーブルに置いたマグカップを、お客様はすぐ手に取り、1口コーヒーを口の中へ注いだ。
「あぁ、すごく美味しい」
「本当ですか、ありがとうございます」
コーヒーを味わったお客様の嬉しそうな顔を見れたのが、私にはとても達成感に繋がっていた。
…楽しい、コーヒーを作るのって楽しいんだな。
私は達成感のある、このカフェでのバイトが大好きだった。
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ゆゆもち - マンちゃん大好きなのでめちゃめちゃ助かります…!!爽やかマンちゃんもかっこいい!! (2021年11月28日 14時) (レス) @page13 id: c0c49f03e7 (このIDを非表示/違反報告)
白楼恋 - ・・・まんちゃん・・・尊い!!・・・やばい・・文才が溢れ出てる・・・・なんかもう白金さん止めた時のマンちゃんイケメン・・・これはハンカチが自分の血で染まりますわ (2020年4月3日 11時) (レス) id: fc9ad241ba (このIDを非表示/違反報告)
美蘭(プロフ) - こゆきさん» ほっこりとしていつつもしっかりしている先輩像が合うんじゃないかなと思って書かせていただきましたが、楽しんでもらえて光栄です( *˙-˙* )こちらこそ読んでいただきありがとうございます! (2020年3月30日 16時) (レス) id: 9739ce79c0 (このIDを非表示/違反報告)
美蘭(プロフ) - いちごスムージーさん» おおおおありがとうございます!あまり見ないですよね、mnちゃんのキャラ掴むのも結構大変でしたが見ていただけてとても嬉しいです!まだ書いていないメンバーも書いていくのでぜひ見ていただけると嬉しいです! (2020年3月30日 16時) (レス) id: 9739ce79c0 (このIDを非表示/違反報告)
美蘭(プロフ) - みかげさん» このシリーズは、全話読み切りなので完結した時点で公開するようにしてます!まだ書いていないメンバーはいるので、次のお話も近日に公開致します! (2020年3月30日 16時) (レス) id: 9739ce79c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美蘭 | 作成日時:2020年3月28日 17時