8話 ページ9
先日の委員会活動から1週間が経った。
その間もしっかりと当番をされているのかどうか、暇な時はチェックしていた。
見たところ、常に花壇の土は湿っていて、無駄な雑草もなかった。
今日は私の当番のため、早めに行き、軍手をはめる。
「せんぱ〜〜い！！」
いつも通りの大きな声、大きな手振りで私を呼ぶ彼。こちらへ走ってくる。
「チーノくん、はい…軍手」
「あざっす！」
彼は軍手を受け取るなり、花壇の前にしゃがんでニコニコと笑っている。
「…どうしたの？」
「いや、綺麗な花壇見て、嬉しいなぁ〜って」
「なんで…？」
「そりゃあ、手間がなくなるからっす！」
「…えぇ…そんな言い方しなくても…」
「冗談ですよ！やっぱり花壇が綺麗な方が気分が明るくなるじゃないですか！」
やっぱりこのノリは苦手だ。でも綺麗な花壇を見てニコニコしている彼を見ると、自然と嬉しさと喜びで笑顔がこぼれる。
私もゆっくりと彼の隣にしゃがんだ。
「あ…でも」
「…ん？」
「手間がなくなったら、あの時みたいに2人で花壇の手入れする時間…減るんですね」
「…え…？」
急な彼の言葉に驚いてしまった。
私が驚いていると、ゆっくりと彼の手が紫のパンジーへと伸び、その手は花弁に添えられた。
「先輩、紫のパンジーの花言葉って知ってます？」
「紫のパンジーの花言葉…」
色によってパンジーの花言葉は違う。紫のパンジーの花言葉は確か。
「思慮深い…」
「さすが先輩っすね、でも、西洋の花言葉は違うみたいですよ」
「…え？」
「You occupy my thoughts.
─── どういう意味か、分かりますか？」
「…わ、わからない…」
「鈍感ですね、先輩」
クスクスと笑った彼は、紫パンジーを添えている手とは反対の手で私の手を取り、紫パンジーの元へ引き寄せた。
「──── "あなたの事で頭がいっぱい"…です」
少し頬を赤く染め、ニコッと笑う彼。
「─── 俺の気持ち、受け取ってくれますか…？」
いつもと違った甘く優しい声色は全身に響き、私はゆっくりと頷いた。
紫のパンジーの花言葉
【You occupy my thoughts.】
────── あなたの事で頭がいっぱい。
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oharu(プロフ) - 最高でした！！最後の最後でちょっと愛が重いのがcn君らしくてキュンキュンしました！！ (2021年4月1日 14時) (
レス) id: 065456b0f3 (このIDを非表示/違反報告)
美蘭(プロフ) - こゆきさん» コメントありがとうございます！おぉ、そうだったんですね！私の友達が、環境委員会っていうのはいってたんですけど、毎日の水やりとか、整備とかすごく大変そうだった記憶があります… (2020年3月7日 19時) (レス) id: 9739ce79c0 (このIDを非表示/違反報告)
美蘭(プロフ) - おいちこさん» コメントありがとうございます！私も委員長やってた時あったんですよ〜…色々なものを背負わされて、支えてくれる人がいないと辛いですよね…(´TωT｀) (2020年3月7日 19時) (レス) id: 9739ce79c0 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - 最高すぎる！私も花壇担当の委員会で委員長だったんで、親近感が湧いてとても良かったです！ (2020年3月7日 18時) (レス) id: 797efb348f (このIDを非表示/違反報告)
おいちこ - 最高かよっっ！！もう、好きです。 きゅんきゅんするし、私も委員長だったので共感できるところ多かったし、何よりチーノ君のこともっと好きになれました！素敵な作品ありがとうございました！！ (2020年3月7日 18時) (レス) id: 44cc872384 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美蘭 | 作成日時：2020年3月7日 17時
