食堂の手伝いの段! ページ29
「さて、消毒して、薬を塗って、包帯を巻いて……」
「(大袈裟だな……)」
「大袈裟じゃないよ!どんなに小さな傷でもそこから菌が入ってもっと酷くなることがあるんだから!」
「アッハイ」
茶髪の青年の剣幕に驚いて、思わず敬語になってしまう。
傷跡の青年が言っていた、『こうなったら逃げられない』という意味がわかった。
「お前、苦労してるな」
「あー……あの時あんなことしなきゃ良かったと後悔している。いって!」
「わっ、ごめんね!…………できた!転ばないように気をつけてよ?」
「ああ。ありがとう。じゃ、食堂に行かなきゃ」
包帯を見ながら立ち上がり医務室を出た。
「遅くなってすみませんおばちゃん」
食堂に入ると、おばちゃんが台所で魚をさばいていた。
「大丈夫よ……もう一人の子は?」
「あー……深緑色の忍者服を着た隈の酷い青年と、目つきの悪い青年が抑えてました」
「そ、そう。大変ね……」
「はい、本当に。おばちゃん、何かすることは?」
「えっと……じゃあ、魚と野菜を切ってくれる?その間にお味噌汁を作るから」
「はい」
手を洗って袖を捲る。おばちゃんがさばいていた魚の続きを始めた。
俺が魚をさばいていると、おばちゃんが感心したように唸った。
「随分慣れた手つきね〜」
「家で良く手伝いをしていたので」
「そうなの!偉いわね〜」
にこっと笑うと、おばちゃんはザルに入れてあった白菜を煮えた湯に入れた。
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ノンノン(プロフ) - 雪姫さん» ありがとうございます!!最近忙しくて更新出来てませんでした。頑張ります!! (2017年6月11日 21時) (レス) id: 01b0da9e31 (このIDを非表示/違反報告)
雪姫 - 更新頑張ってください! (2017年6月11日 21時) (レス) id: f39048ba7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ノンノン x他1人 | 作成日時:2017年3月30日 15時