花房牧之介の段! ページ25
「ふう……できました」
「早いですね」
「どうも」
俺が渡した書類の目を通す吉野さん。一通り確認すると、『いいでしょう。次もお願いしますね』と言って書類を仕舞った。
「サノちゃん、早いねぇ」
「そうか?」
「うん!」
にぱっと笑顔になるコマツダ。
「じゃあ、次は何をすれば?」
「そうですねえ……あ、小松田くんはまだ書類が終わってませんので、入門表をお願いできますか?」
「はい。コマツダ、良く聞け。一つ 周りを注意深く見ること。二つ 足元に気をつけること。三つ 焦らずに行動すること。この三つを守れば、きっと失敗せずに終わるから。頑張れよ」
「うん!頑張るよ〜!」
コマツダの頭を撫でてから、バインダーを持って門へ移動した。
「……暇だ」←
入門表を持って立ち続けること二時間くらい。誰もここを訪れる人は居ない。いや、居たら居たでおかしいか。
小さくため息をついて門に寄りかかったその時、ドンドンと門が叩かれた。
「たのもー!たーのもー!!」
「はーい………………お引き取り下さい」
「おおい!!っていうか誰だ!?おい、あーけーろー!!」
アイツは確か花房牧之介だっけ。吉野さんとコマツダから、『花房牧之介が来たら絶対に門を開けないように』と似顔絵まで描いて固く言われたのだ。
「なーなー!入門表にサインするから開けてくれ!!頼むよお!!」
「吉野さんとコマツダから『学園に入れるな』と言われているから無理だ」
「そこをなんとか……」
「無・理・だ」
「キーッ」
何が『キーッ』だ。駄々をこねるガキじゃあるまいし。
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ノンノン(プロフ) - 雪姫さん» ありがとうございます!!最近忙しくて更新出来てませんでした。頑張ります!! (2017年6月11日 21時) (レス) id: 01b0da9e31 (このIDを非表示/違反報告)
雪姫 - 更新頑張ってください! (2017年6月11日 21時) (レス) id: f39048ba7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ノンノン x他1人 | 作成日時:2017年3月30日 15時