名字の方がかっこいいの段! ページ20
「なあ、そろそろ離れろ。事務室に行かなきゃいけないんだ」
「萌華も一緒に行く〜!」
お嬢様に必殺技をかけてからかれこれ数分。移動しようとする度に腕を引いて行かせようとしない。仕方ない、命令口調だ。
「おい、離れろ」
「……は、はぁあい♡」
何かと忠実なお嬢様は、命令口調で言うと言うことを聞くのだ。
「あの……大変ですね……」
「うん?ああ……必殺技をかけずに逃げれば良かったと後悔してるところだ」
「でも、貴女がひ、必殺技?をかけてくれたおかげで、もう苦労しなくてすみましたよ。それにかっこよかったです!」
「その代わりに天女サマが苦労することになったけどね」
俺に話しかけて来たのは、同じ顔をした藤納戸の色をした忍者服を着た少年二人。
「双子なのか?」
「違いますよ〜!三郎が僕に変装してるんです」
「訳あって雷蔵の顔を借りてまーす」
肩を組んでピースをする二人。変装か……カノも忍者みたいになれそうだな。コノハとかも。あとキドとセト。エネもいけそうだな。
「僕が不破雷蔵で」
「僕が鉢屋三郎です!」
『よろしくお願いしまーす!』と声を揃えて言う二人。素人じゃ絶対見抜けないな……。
「ああ、よろしくな、フワ、ハチヤ。俺は佐野だ。『サノ』って呼んでくれ」
「名前は……」
「個人情報だ。それと……名字の方が……何となくかっこいいだろう?」
夏風が俺達の間を通っていった。
普段あまり動かない口角が、少し上がった気がした。
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ノンノン(プロフ) - 雪姫さん» ありがとうございます!!最近忙しくて更新出来てませんでした。頑張ります!! (2017年6月11日 21時) (レス) id: 01b0da9e31 (このIDを非表示/違反報告)
雪姫 - 更新頑張ってください! (2017年6月11日 21時) (レス) id: f39048ba7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ノンノン x他1人 | 作成日時:2017年3月30日 15時