第２話【憂鬱】 ページ3
『…ここか』
深夜に大騒ぎしたその次の日、私は手紙とカード――ライセンスというらしい――を持ってかなり大きな建物に来ていた。
あの手紙によると、ここで日本代表メンバーが発表されるらしい。
だが、今はそれよりも大事なことがある。
『…入り口、何処だ…』
手紙には建物の場所以外、内部の地図も何も書いていなかったから、何処が入り口なのかすらも分からない。
暫く手紙と睨めっこしていると、オレンジ色のバンダナをした人が近くのゲートにライセンスを翳し通っていった。
あの人。伝説のキャプテンと呼ばれる円堂守さんだ。
昨日、少年サッカーについて調べたら真っ先に記事が出てきた人。
それだけ有名な彼が代表候補に選ばれていないとは考えられない。恐らくあのゲートが候補選手専用の入り口というものなのだろう。
入り方が分かった私は、手紙に入っていた自分のライセンスを使いゲートをくぐった。
『はぁ…流石に広いな』
候補選手用の席へ向かいながら、そう独り言を零す。
先程のゲートをくぐってすぐに内部の地図があったから、ここからは特に迷うことはなかった。
どうせならゲート外にも地図を設置してほしかったが。
候補選手用の席に着き、一番空いていた端の席に座ると同時にアナウンスが入った。
《なんという大歓声でしょうか！今、世界への門が開かれようとしています！さぁ、遂に全国が注目する日本代表“イナズマジャパン”の発表は間もなくです！》
《先日発表された代表監督、趙金雲氏は、一体どんな選手を選んだのでしょうか！》
少し顔をあげると、こちら側の壁がガラス張りになっている部屋の上の方でジュースを飲んでいる、ふくよかな男性がいた。
恐らく彼が趙金雲なのだろう。
司会の言葉からして、彼が私を候補選手として選んだと見て間違いない。
代表に選ばれたら呪詛を送ってやりたいと思ったが、態々会場まで来たというのに選ばれないというのも少々癪だ。
取り敢えず睨みつけておいた。
《皆さん、メインスクリーンにご注目ください！趙金雲監督によって、代表メンバーが発表されようとしています！》
司会の声が響き渡り、観客の歓声で会場が埋め尽くされる。
私は選ばれていないことを祈るだけだった。
サッカー経験のない私が呼ばれた時点で、選ばれることはほぼ確定しているようなものだが。
そう思うと、更に憂鬱な気分になった。
そんなことを考えていると、遂にスクリーンでのメンバー発表が始まった。
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星猫 - 一緒に合作しませんか？ (2021年3月8日 17時) (
レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - 杳覇さん» ああああ杳覇様ありがとうございます！！！！はい！頑張ります！！ (2020年12月15日 13時) (レス) id: 481ec78e24 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 初コメ失礼します！！ ずっと見よう見ようと思っていたところで修正タイムになってしまって、ようやく拝読させていただくことができました……！ いやー楽しみです！！続きが気になります！ 更新頑張ってくださいね！ (2020年12月15日 12時) (レス) id: 8682462ce1 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます！！はい！ありがとうございます！頑張ります！ (2020年9月6日 14時) (レス) id: 481ec78e24 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - ルルさんこんにちは！Twitterではリンの名前です！さっきTwitterの方でお話ししましたが更新頑張ってください！ (2020年9月6日 14時) (レス) id: 7d8d8b211b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まるね | 作成日時：2020年5月14日 5時
