177「ぎゃんっ」 ページ37
ふらり、岩陰から誰かが姿を見せた。
それは紛れもなく、さっきまで居場所の分からなかったAで、ぼうっと何処かを見つめている。
ﾌｪｲ「A！？」
思わず名前を呼んで、その後に気づいた。
アーサー王のエクスカリバーが与えた一撃で、マスタードラゴンが力なく地面へと落ちていることに。
棒立ちのAに、まるで吸い寄せられるように。
危ない、と、叫んだ。
ハッと顔をあげたAの視界にドラゴンが映るのと、Aのすぐそこまでドラゴンが迫るのとは、ほぼ同時だった。
.
……何をしているの、ですか、そんなところで。
危ないで、すよ……A、
逃げて。
.
しゅるりとあたしの腰を掴んだのは、ドラゴンさんの柔らかなヒゲ。……瞬間、身体が、浮いた。
A「ぅわ！」
勢いよく池へと滑りこむドラゴンさんと、ちょうど空中ですれ違った。目と目が合う。
……ぁ、優しい目、だ。
天馬「A先輩！」
A「ぎゃんっ」
暖かな眼差しに安心して、流れに身を任せていたら、そのまま地面に投げ出されてしまった。背中打った……痛い……。
打ちつけた背中をいたわって立ち上がろうとするあたしの目の前で、大きな水しぶきが上がった。
細かな水滴が顔にかかって、ポタリとあたしの頬を伝う。
池の水面に沈む白い尾が見えなくなるのと、黄名子ちゃんの声が聞こえたのとは、ほぼ同時だった。
菜花「マスタードラゴン！」
その悲痛な声に、じわじわと罪悪感が広がっていく。
あたしが何かできたわけではない。何かして、ドラゴンさんが攻撃を受けることがなくなったとは、思えない。
でも、あたしは、みんなよりずっと早くここにいたのに。
菜花「マスタードラゴン、可哀想すぎるよ……」
空野「黄名子ちゃん……」
池に駆け寄って、黄名子ちゃんが中を覗き込む。その隣で、葵ちゃんが心配そうにしていた。
……いや、待って。
あたし、何か大事なことを忘れて……、
天馬「マスタードラゴンに何をした！」
天馬くんの声に、背後を振り返った。楯突く先は、黒い鎧の騎士。あ、そうだ、あの謎の黒い人。
ドラゴンさんとレイ・ルクが出て行った後、黄名子ちゃんたちと戻って来たのは、あの謎の黒い人だ。
じゃあ、レイ・ルクは、どこいったの？
ーー
5年ぶりくらいに更新した気分です。
イナズマ、更新、頑張らなきゃですね。
前回・前々回のタイトル、やんね続きでちょっとツボです(笑)
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haru(プロフ) - とても好きです。続きを楽しみにしてます！ (2018年12月14日 22時) (
レス) id: 50d52a8ffe (このIDを非表示/違反報告)
ぐれーとまっくすな手毬。(プロフ) - 柑橘系さん» コメントありがとうございます、返信遅くなりすみません……。ひええ、勿体無いお言葉です、ありがとうございます！！更新再開とはまだ断言できませんが、なるべく頑張りたいと思います。目指せ完結！！ (2018年3月9日 21時) (レス) id: 8cdc93238d (このIDを非表示/違反報告)
ぐれーとまっくすな手毬。(プロフ) - わたあめ☆さん» 返信遅くなりました！コメントありがとうございます。更新停止しておりましたが、とりあえず1話だけ更新ということで戻ってまいりました。とにかく完結させたいです、今後ともよろしくお願いいたします！ (2018年3月9日 21時) (レス) id: 8cdc93238d (このIDを非表示/違反報告)
柑橘系 - 一番最初から読ませていただきました！！すごく面白いし夢主ちゃん可愛いしで最高です！これからもこの小説を楽しみに生きていきます！頑張ってください！！！ (2017年6月22日 21時) (レス) id: 04654b2bed (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ☆ - 更新停止したんですかぁ〜。すきだったのにぃ〜。それでも、また戻って来ることを信じてます。頑張って下さい。 (2017年6月1日 6時) (レス) id: 8ff80f4586 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぐれーとまっくすな手毬。
| 作者ホームページ：＼(゜ロ＼)ココハドコ? (／ロ゜)／アタシハダアレ?
作成日時：2015年7月22日 13時
