松下村塾の悪ガキさん 弐 【銀魂】

-あなざーすとーりー-“なんで。” ページ45

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──────…えの、名は…………






｢ っ！！ ｣





いきおいよく目を開ける。目にうつるもの全てが青かった。そして、まぶしい。思わずまたとじる。


おそるおそるもういちど開けた。


これは……空か？なんでこんなに青いんだろう。もっと黒かったような気がする…。それにキラキラ光る点もない。






─────んな、ごめ──




｢ ……？ ｣





なにか声が聞こえる……なんでだ？
おんなみてぇな、おとこみてぇな、どっちかもわかんねぇ声だったけど。


そもそもなんで『おれ』は……、





｢ なぁ、 ｣

｢ ！？ ｣

｢ なんでずぅっとねそべっとるん？ ｣




おれはおどろきのあまり目をひん向いた。たしかになんでおれはここでねそべっていたんだろう。おれの顔をのほき込むようにソイツはしゃべりかけてきた。


｢はい！｣と元気よく手をさし出してきて俺はそれにつかまり立ち上がった。


立ち上がって、初めてソイツの顔をしっかりと見た。それは向こうも同じだったようで、なぜか目をかがやかせている。




｢ わぁっ！きれーなあかいろやなぁ…！ ｣


｢ …… あか？ ｣


｢ そのめとかみのいろ！きれいなあかやおもて！ ｣


｢ きれい…なのか？ ｣


｢ うん！ ｣




そう言った目の前のコイツもおれの赤色と似たような色だった。桃色だった。だけどいざ口に出そうとすると妙な気持ちがつっかえて言葉が出なかった。




｢ ここはどこだ…？それにおまえも… ｣


｢ んー、わたしもおきたばっかやしばしょはわかんないけど…なまえは分かるよ！ ｣







──────凛麗(りんれい)！






満面の笑みでソイツは言った。




｢ りんれい……？どうかくんだ、それ ｣

｢ わかんない…………あなたは？ ｣

｢ おれは…えっと、 ｣




ザ、




｢ ……？ ｣





頭でなにかが響いた。
なんの音か、いまのおれには分からない。




──────……まえの、…えは、



なんだ？




──────おまえ、の、……まえは…た




いたい。あたまがいたい。




──────おまえの名前は……………









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｢ ………………………凛太郎 ｣









これは、赤髪の少年の始まりのお話。

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