松下村塾の悪ガキさん 弐 【銀魂】

-あなざーすとーりー-“ここが世界” ページ46

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｢ りんたろーっていうのね！なんかにてる！ ｣

｢ そう…なのか？ ｣

｢ そうだよー。だって“りん”れいと“りん”たろーだもん ｣

｢ “りん”がいっしょなだけじゃん ｣

｢ だから似てるのー！ ｣



りんれいはすねたようにほっぺたをふくらました。この女の子が言ってることがおれにはよく分からない。けど代わりに別の疑問が思い浮かんだ。



｢ ………これからなにをすればいいんだ？ ｣

｢ んー… ｣



辺りを見回すとなんもない。じめんはどろで、ひかげも何もない更地だ。

すると｢ねえ、｣とおれに話しかけてきた。



｢ わたしもよくわかんないけど…今はとりあえずやすめるところにいこ？ ｣

｢ ひざしもつよいもんな ｣

｢ うん。だから…はい！ ｣

｢ ？ ｣



歩こうとしたとき、りんれいは小さな手をさしだして来た。どうしていいのか分からないままでいたらりんれいは無理やりおれの手を取った。

はじめて知った温度だった。あったかくて、あんしんするような…？



｢ じゃあ行こ！ ｣

｢ あ、待って ｣

｢ ？ ｣

｢ もういちどここにもどってこれるように石をここにおいていこう ｣

｢ ！そーだね！りんたろーあったまいいー！ ｣

｢ そ、そんなんじゃねーよ、ほら、行くぞ ｣

｢ うん！ ｣



なんか顔があつくなった気がしたから、それをりんれいに見られたくなかったから、おれはりんれいの手を引っぱった。

後ろでくすくす笑ってる声がする。よく笑う子だな…。



──────
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──



｢ ねえりんたろー ｣

｢ どうした？ ｣

｢ あのお空に浮かんでる丸いやつ、何回のぼってきたっけ？ ｣

｢ んー…あんまよく覚えてないけど……五回、くらい？ ｣

｢ そうだったっけ？ ｣



いまこのとき、お空で光り輝いている丸いものはおれたちが数えたときには五回目だった。けれどこの五回の間に色んなことがあった。

一回目、つまりおれとりんれいが出会ったあの日、ひかけをもとめて歩いていたら森を見つけた。木がたくさんあったから、そこで一休みした。

だけどすごく大きなからだとながいおはな、とくちょうてきなきばをもった四足歩行の生き物にそうぐうしてにげ回った。


二、三、四回目の時にはもう四足歩行の生き物はいなくなってて、代わりにおれたちとおなじすがたをした少し背が大きい生き物を見た。

だけど“それ”は白い食べ物をめぐってきずつけあったり、きれーな服を着た髪の長い女の人が何か書いていたりしていた。





この時、正確な歳は分からなかったが
俺が十を迎える前だった。




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