＿＿＿＿三九頁目 ページ39
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その日の夜はガヤガヤと周りが騒がしがった。きっと“準備”のせいやと思う。私もなんか手伝いたいけど、ヅラに止められてしまった。
｢ ( ……そういえば、花火… ) ｣
ふと思い出した夏の風物詩。やる事もなく暇なんで、縁側に出て見ようかと思ったのだ。
壁まで這って行って、何とか立ち上がる。壁伝いに歩いていってそーっと襖を開ける。縁側に出て腰を下ろし夜空を見上げた。
｢ ( 全然見えん ) ｣
もしかしたら全く別の方向なんかもしれん。だとしたらすごく悲しい。楽しみにしとったんに。よくよく考えてみれば音もしないことに気づいた。あれ、もう終わっとる？
やば、本格的にやることないやん。
───ザ、
｢ ん？ ｣
｢ オメー外出て何やってんだ ｣
聞こえた声に心がパァッと明るくなる。けれどそれを抑え込んで平静を装う。だって聞こえた声は───
｢ 銀ちゃん… ｣
｢ ンだよ。俺だって忙しかったんだからな？？ ｣
｢ ヅラが一番忙しそうやったけど？ ｣
｢ 何お前、何怒ってんの ｣
｢ 別にー？ ｣
本当は少し怒っているかもしれない、とAは思った。Aが目覚めても銀時は一度もお見舞いに来なかった。Aの方は何度か銀時を見かけているが話しかけようにも体が思うように動かないのだ。
そうやって黙って銀色の頭を見送った。忙しそうにしていたのは知っていた。けれど、それでも、少し、ほんの少し、
｢ ( 寂しい、なんて ) ｣
こんな気持ち、抑えとかんなん。
Aは誤魔化すように話題を変えた。なんで今ここに来たのかと、そう聞くと銀時は手が空いたからと一言で返される。
沈黙が、二人の間に流れる。
｢ ( あ、あれぇ…？こ、こんなに気まずかったっけ？？可笑しいなぁ、今ここにおる子達とならすごく喋れるんやけど… ) ｣
目覚めてからというもの、リハビリに付き合ってくれる人は女子男子問わなかった。それをキッカケに仲良くなった人は少なくない。
それだというのに、Aは銀時を前にすると喉に何かつっかえたかのように上手く言葉が出なかった。
それは、銀時も同じだった。
すると、
ヒュ〜……ドンッ！！
｢ え？……あ、花火や！ ｣
｢ すげーな ｣
｢ 良かったぁ、真っ暗やったから終わってしまったんやと思た〜 ｣
小さな花火が次々と打ち上げられる。最後には大きな花火が打ち上げられる。
｢ 花火なんて久しぶりに見たなぁ……綺麗やな、銀ちゃん！ ｣
Aの目に映る無数の光。年相応の笑顔。
｢ あァ。音がうるせェ ｣
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運動系引きこもり(プロフ) - 琥珀@中也が尊いさん» 琥珀@中也が尊いさんコメントありがとうございます！分かりました、検討してみます！ (2021年2月28日 12時) (
レス) id: 9fef19786d (このIDを非表示/違反報告)
琥珀@中也が尊い(プロフ) - 表紙がすごい銀魂感。作者様が書かれたのですか？あの、作者様が書かれたのであればもし宜しければ文字がないバージョンを上げて頂きたいです。すっご表紙好きです (2021年2月28日 1時) (レス) id: bc2916a5a7 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - きみをさん» きみをさんコメントありがとうございます。あぁぁあ、ありがとうございます……ッ！更新頑張りますので是非とも本編の方も読んでいってください……！！ (2021年1月31日 13時) (レス) id: 9fef19786d (このIDを非表示/違反報告)
きみを - はぁぁぁ好きすぎる、、更新楽しみに待ってます！ (2021年1月30日 23時) (レス) id: 2684e373b7 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - リアさん» リアさんコメントありがとうございます……！一気読みしてくださって嬉しい限りです^^本編もどうぞ読んでください！映画は私も泣きました……。これからも応援よろしくお願いします (2021年1月26日 0時) (レス) id: 9fef19786d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：運動系引きこもり | 作成日時：2020年2月9日 17時
