____三八頁目 ページ38
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「 ───お前の過去を聞いた 」
「 か、過去? 」
横目でチラリと見れば、俺の隣に座るAは驚いた様子だった。葉の間から漏れる太陽の光が目に当たって眩しかった。
Aの視線はこちらに向いていることが分かった。
「 ……どーせ、銀ちゃんが喋ったんやろ? 」
「 お前の強さの秘密、先生が連れていかれたあの日の……大量の屍。だから気になった。俺とヅラが聞いたんだ 」
コイツは所謂“天人”、“えいりあん”を殺す事を生きがいとする一族の長女らしい。
元々Aにはどんなものでも殺せる力を持ってるってことだ。それが、言いつけによって強化された。
それを聞いた時、あんま驚かなかった。頭ン中が勝手に理解していたかのように。
「 他人の過去なんざ興味ねェっちゅー面しとんのに? 」
「 どんな偏見だ! 」
───コイツは、変わらずに俺と話す。
だけどやはり変わってる。ランランに輝いていた黒い瞳が、今のコイツには無かった。……気づいてねェんだろうな。
その目がどうしようもなく、俺を惹きつける。
「 ……で?晋ちゃんは私の過去を聞いてどう思ったん?やっぱ、怖くなったんやろ?やから目ェ合わせてくれんのやろ? 」
「 違ェよ 」
ただ、なんとなく……
「 アイツは自分が自分でいるために家を燃やした。強制する親と戦った 」
「 ────────似てる 」
「 ? 」
「 そう思っただけだ 」
「 ……似とる…そっかぁ 」
Aは小さくつぶやくと、
「 確かに私の家もお金持ちやったもんなぁ 」
「 そこじゃねェよ 」
「 私らでボンボンコンビやな 」
「 くそダセェコンビ名つけんな
……それに俺らもうボンボンじゃねーだろ 」
「 ま、そうやねぇ。家を燃やした悪ガキ、勘当された悪ガキ……根本的なとこは一緒やね 」
そう、俺達は何かに縛られていた。その縛りが違くても、同じなのだ。
ホラ、もう行くぞと声をかけ再び立ち上がる。
「 みんな戦の準備しとるんやろなぁ。私もはよ筋肉取り戻さんと救護班班長として示しがつかんわ〜 」
「 いつの間に班長になったんだ。三日目でこんなに歩けてんだ、大丈夫だろ 」
「 晋ちゃんも私が戦に出るのは反対? 」
「 分からねェ 」
「 …………そっか。私も先生助けに行きたかったなぁ 」
絶対助けてな!?とAは言った。それは当然だ。
「 ( ただお前が血に濡れようと──── ) 」
お前に
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運動系引きこもり(プロフ) - 琥珀@中也が尊いさん» 琥珀@中也が尊いさんコメントありがとうございます!分かりました、検討してみます! (2021年2月28日 12時) (レス) id: 9fef19786d (このIDを非表示/違反報告)
琥珀@中也が尊い(プロフ) - 表紙がすごい銀魂感。作者様が書かれたのですか?あの、作者様が書かれたのであればもし宜しければ文字がないバージョンを上げて頂きたいです。すっご表紙好きです (2021年2月28日 1時) (レス) id: bc2916a5a7 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - きみをさん» きみをさんコメントありがとうございます。あぁぁあ、ありがとうございます……ッ!更新頑張りますので是非とも本編の方も読んでいってください……!! (2021年1月31日 13時) (レス) id: 9fef19786d (このIDを非表示/違反報告)
きみを - はぁぁぁ好きすぎる、、更新楽しみに待ってます! (2021年1月30日 23時) (レス) id: 2684e373b7 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - リアさん» リアさんコメントありがとうございます……!一気読みしてくださって嬉しい限りです^^本編もどうぞ読んでください!映画は私も泣きました……。これからも応援よろしくお願いします (2021年1月26日 0時) (レス) id: 9fef19786d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:運動系引きこもり | 作成日時:2020年2月9日 17時