____三三頁目 ページ33
.
俺は、何を思ったんだろうか。
Aの胸部から転がっていくこの赤い石を見て一気に不快に感じた。コイツが、知らねー誰かをずっと見ているような───ヅラと話していた時みたいな、そんな不快感。
気づけば俺は足元まで転がってきたその石を踏み潰した。硬いのかと思えば意外と脆く、硝子で出来ているみたいだった。
破片が飛び散ったがそんなのは気にしないでいた。
「 銀時?急に何を─── 」と言うヅラの声を遮ったうめき声が聞こえた。
「 …………うっ 」
「 A?! 」
高杉が叫んだ瞬間、Aはカッと勢いよく目が開き、そして勢いよく咳き込んだ。その背中をヅラが摩る。
Aは川に溺れ救出された後みたいに息を荒くし、だるそうに見える。目は揺らいでいた。
「 A、大丈夫か!? 」
「 はぁ、はぁ、 」
ようやく息を整えたAは、ゆっくりと顔を上げた。
自分の手を握ったり開いたりして、動くことを確かめながら。
「 ……なんか、息止まっとったような感じがしてんけど……なんか知っとる? 」
「 実際止まってたぞ 」
「 え 」
大丈夫なのかとAを見ていたが、喋った本人は意外といつも通りでボケも通常運転だった。
「 Aがこれをやったのか……? 」
「 ………… 」
Aは自分のやった事を思い出したのか、下唇を噛んで目を伏せてしまった。
小さく、絞り出すような声でAは、
「 ────
今言った言葉に多少の違和感を感じたが、涙ぐむこいつに対してそんなのは消えた。
こわい?と言ったAの言葉にこれ以上の説明がいらなかった。
「 確かに怖ぇな。なんせこの人数を一人でやっちまってるんだ…………ただ、 」
「 ただ“俺達は悔しい”と思っている……だろ? 」
「 悔しい? 」
「 何も出来なかった、俺達はただやられただけだ。それなのにお前は先生を取り返そうと負けずにやった。自分の不甲斐なさでいっぱいだ。……怖いだなんて思えないくらいにな 」
最後にヅラがそう言うとAは少し笑顔を見せた。
「 …………ありがとう 」
ドサ、
.
485人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
運動系引きこもり(プロフ) - 琥珀@中也が尊いさん» 琥珀@中也が尊いさんコメントありがとうございます!分かりました、検討してみます! (2021年2月28日 12時) (レス) id: 9fef19786d (このIDを非表示/違反報告)
琥珀@中也が尊い(プロフ) - 表紙がすごい銀魂感。作者様が書かれたのですか?あの、作者様が書かれたのであればもし宜しければ文字がないバージョンを上げて頂きたいです。すっご表紙好きです (2021年2月28日 1時) (レス) id: bc2916a5a7 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - きみをさん» きみをさんコメントありがとうございます。あぁぁあ、ありがとうございます……ッ!更新頑張りますので是非とも本編の方も読んでいってください……!! (2021年1月31日 13時) (レス) id: 9fef19786d (このIDを非表示/違反報告)
きみを - はぁぁぁ好きすぎる、、更新楽しみに待ってます! (2021年1月30日 23時) (レス) id: 2684e373b7 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - リアさん» リアさんコメントありがとうございます……!一気読みしてくださって嬉しい限りです^^本編もどうぞ読んでください!映画は私も泣きました……。これからも応援よろしくお願いします (2021年1月26日 0時) (レス) id: 9fef19786d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:運動系引きこもり | 作成日時:2020年2月9日 17時