松下村塾の悪ガキさん 弐 【銀魂】

-二二頁目- 最っっっっ悪 ページ22

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これはA、銀時、高杉、ヅラの四人が白熱した勝負をしたあの日から数日経った時の事。


方向音痴の塊であるAは松陽からお使いを頼まれた。「卵を買ってこい」と。


たくさんの人に道を聞いて行きはなんとかなった。風呂敷に卵を指定された分入れて抱えて帰路についていた。その帰り道に、路地から聞き覚えのある声がした。

Aが気になってこっそ〜りと近づき聞き耳を立てた。




「 ( 音的には……ざっと八人くらいかな… ) 」




聞き覚えがある声。思い出すは、神社の時。
そう、高杉達と出会った場所。Aが銀時の置かれている状況を盛大に勘違いした場所。




「 高杉、随分とあの寺子屋に御執心のようだな 」

「 …… 」

「 まただんまりかよ 」




“高杉”という名前にピクリと反応する。またか、またなのか。確か前に会った時も絡まれてた。

Aは顔が歪んでいくのが分かった。それと同時に既視感がある。自分にも似たようなことがあったな、とAに難癖つけてきた道場の子達を思い出した。

一方路地から聞こえる声はどんどんヒートアップしていって聞き耳立てなくても普通に聞こえるんじゃないか。





パチン！






「 ( …え？ ) 」







固い何かを弾くような音が次々にしていく。聞き耳を立てるだけじゃもう我慢ならなかった。
Aは、足下に大きな木箱があって邪魔してくるが思いっきり覗いた。


するとどうだろうか、複数の男の子達が高杉に石やら固いものを投げつけているではないか。


スッ…と頭が冷え、目が大きく開いていく。手が震えてきて手元にある風呂敷に力を込めてしまう。すると、ミシ……とヒビが入る音がしてAはハッとした。






「 ( 私何を……？あ゛…卵が… ) 」






残念ながら風呂敷の中に入ってる卵がほぼお陀仏状態になってしまっていた。せっかく買えた卵だったのに…とまだ無事な卵を取り出す。


二、三個無事だった。





「 ( 先生に頼まれたのに。これじゃぁ…… ) 」




ふつふつと怒りが湧いてくる。
割ったのはほぼ自分だったが、こんな胸糞悪い事をするからとAの静かな怒りはあの男の子達に向いた。(これぞ難癖)





「 ( 残りの卵頭部にぶつけたろかな ) 」





Aがやるとシャレにならないのは自分が一番わかってるので違う方法で八つ当たりしてやろうときめた。

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