松下村塾の悪ガキさん 壱 【銀魂】

-四四頁目- 気がかりなこと ページ44

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空っぽだった。なぁんにもなかった。


笑って過ごせていた生活も誰かが欠ければ簡単に崩れていく。


だから、身の回りのものは護れるようになりたい。あの子の為にも…。





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❁❁❁





人に見つかる前にAたちはその場を退散した。


Aが担いでいた銀時は吉田松陽に預けた。


Aは思った。
彼にはすごく、すごーくお世話になった、
返しきれるか分からないくらいの恩を貰ったと。






「 そういえば彼の刀は、どうしたんですか？ 」


「 あ、小説の文には書かれてないんですけど、ご都合主義なのでちゃんと回収してありますよ。持ってます。それより、銀ちゃ 」








ピー！








「 ！？ 」









急に聞こえた警笛にAは肩をビクリとはねさせた。
きっと、奉公人がこの火事を見つけたのだろう。







「 大丈夫です。ここまで来れば人気もありませんし、この暗闇ですから捜索も無闇にしないでしょう 」



「 そ、そうですよね… 」








しかしAには少し気がかりになったことがあった。警笛が聞こえると同時に、なにか、叫び声が聞こえた気がするのだ。



火事に気づいた人が叫んだのだろうか。




その仮説を立てたが、それはあまりにも若すぎる、子供の声だ。子供はよっぽどの事がない限り起きない、と本で読んだことがある。






気になったが、今は銀時の手当が優先だと思い、先行く吉田松陽を追っていった。









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