-三五頁目- 弱いせいで ページ35
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「 あの日一花がお前と貧民街へ 行った帰り、貧民街を襲った地上げ屋に一花はお前を庇ったんだ。お前が弱かったせいで
「 ────……! 」
父から告げられた事は衝撃的すぎて言葉を失った。確かに母を殺された後のことは記憶になかった。何も覚えていなかった。目が覚めれば布団の中にいたから。
起きてみればしんみりとした朝で、家政婦達からは“一花様はお亡くなりになられた”と告げられた。
その時は誰にとは聞かなかった。母が死んだことにショックを受けていたから。
でもお葬式のとき、母の死体の横に五人くらいの男の死体が横たわってたと、大人達が話しているのが聞こえた。
まぁ、でもそれも気にしてなかった。
「 分かるか?子供は大人に力では勝てない。でもお前は五人の地上げ屋を殺したんだ。死体は酷い有様だった。一人は顔の原型をとどめてなかったり、一人は腕が引きちぎられてたり。駆けつけた時、お前は目をかっ開いて血溜まりの上に立っていたよ。血が垂れる拳を握ってな 」
「 じゃ、じゃあ………う、ちは… 」
「 お前の事などどうでもいい。しかし行動が遅いんだよ。殺れるなら、なぜ殺らなかった。なぜ一花を犠牲にした 」
「 そ、そんなの…… 」
「 ふんっ 」
ドガッ!と壁まで殴り飛ばされた。頭を打ち、しかも壁は燃えているから背中が焼けるように熱かった。
「 う゛ぁぁぁ……、ぁ゛… 」
そんな、理不尽すぎる。
なぜ私が怒られないといけないのだ。
今の話を聞くと私が母の仇をとったようなものじゃないか。
これも、“お前は東雲家だから出来て当然”という理由なの?
だから自分の親を守れて当然なの?
「 これだから出来の悪い奴は。死んでから学ぶんじゃ遅せぇんだ!! 」
父がこの言葉を言っている最中、いおりは人生初の走馬灯を見ていた。
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-三六頁目- 記憶の中の母→←-三四頁目- 待ち構える大きな背中
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**雪音**@テスト嫌だ(。´Д⊂) - わ、そうですよね、不躾な質問をしてしまい申し訳ありませんでした…!!勿論です!これからも応援させていただきます! (2021年1月2日 14時) (レス) id: d23b4dd949 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - **雪音**@テスト嫌だ(。´Д⊂)さん» 初めまして!ありがとうございます。質問の件なのですがそれを言ってしまうとネタバレになってしまうので控えさせていただきます……(><)お答えできず申し訳ないです。それでもまだこの作品を読んでいただけるのなら幸いです (2021年1月2日 11時) (レス) id: 9fef19786d (このIDを非表示/違反報告)
**雪音**@テスト嫌だ(。´Д⊂) - 初めましてコメント失礼します!質問なんですが、弟くんはどうなるのですか? (2021年1月2日 3時) (レス) id: d23b4dd949 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - ポンポネッラさん» コメントありがとうございます!!そうですよね、神ですよ。あの3人組は!いつか高杉さんとヤクルコの話書きたいです← (2019年11月25日 15時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
ポンポネッラ(プロフ) - あら!東雲さんと愉快な仲間たちの過去が覗けるなんて.......尊い(ぐへ) 個人的にショタ塾組は神だと思ってます。はい。 (2019年11月25日 4時) (レス) id: 96af192ec7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:運動系引きこもり | 作成日時:2019年11月4日 17時