-二五頁目- 赤目と赤眼 ページ25
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「 …で?黒髪っつったっていっぱいいるだろ 」
「 確かにあまり特徴はないが…、この村では有名だ。なんせ、今貴様が立ってる横の道場の娘だからな 」
「 道場? 」
銀時は凛太郎に言われた通り横を見る。そこには道場とは思えないほど大きくて、綺麗な場所だった。
よく見れば門に達筆で飛燕海道場と書かれていた。
「 その道場は筋力を重視している。その力強い剣技で他の村や、今となってはかぶき町から来るやつも多い。それくらいすごい道場なんだ 」
「 ふーん 」
凛太郎は聞いてもないのにペラペラ喋る。その話の中には自分が道場の門下だということも分かった。彼が凛太郎と言う名前だということも分かった。
凛太郎はその口調で普通の男の子の典型だと、銀時は思った。見た目は異端だが友好的だ。
銀時は凛太郎の熱弁に対して興味無さそうに空返事した。
んな事よりも早くAを探さなければと思っていた。
しかし、凛太郎の次の言葉で空返事じゃなくなる。
「 ここの当主…東雲聖十郎先生はこの村一強いんだ!そしてその娘が東雲いおりという 」
「 !? 」
「 そいつを探してんだ。…なぁ、本当に知らねぇのか? 」
「 え?あー…あぁ、知らねぇ知らねぇ。俺の知ってる東雲は名前が違ぇし 」
半分嘘で半分本当である。
東雲いおりは銀時の知っている東雲Aだ。Aという名は松陽から貰ったと聞いた。自分の名前があまり好きではないと本人が言っていたから。
それに……Aが道場の一件について話していたのを思い出した。確か、道場で一番強いといわれていたやつに突っかかれた、と。
多分凛太郎がその道場で強いといわれている奴だろう。
「 ( ここが…アイツの家だったのか ) 」
「そうか知らないか ……
………なんで知らねぇんだよこの役立たずが 」
「 は? 」
さっきとはうってかわった態度に思わずポカンとしてしまう。
凛太郎は舌打ちをし、虚ろな赤眼を銀時から背け何も言わずに立ち去った。
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**雪音**@テスト嫌だ(。´Д⊂) - わ、そうですよね、不躾な質問をしてしまい申し訳ありませんでした…!!勿論です!これからも応援させていただきます! (2021年1月2日 14時) (レス) id: d23b4dd949 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - **雪音**@テスト嫌だ(。´Д⊂)さん» 初めまして!ありがとうございます。質問の件なのですがそれを言ってしまうとネタバレになってしまうので控えさせていただきます……(><)お答えできず申し訳ないです。それでもまだこの作品を読んでいただけるのなら幸いです (2021年1月2日 11時) (レス) id: 9fef19786d (このIDを非表示/違反報告)
**雪音**@テスト嫌だ(。´Д⊂) - 初めましてコメント失礼します!質問なんですが、弟くんはどうなるのですか? (2021年1月2日 3時) (レス) id: d23b4dd949 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - ポンポネッラさん» コメントありがとうございます!!そうですよね、神ですよ。あの3人組は!いつか高杉さんとヤクルコの話書きたいです← (2019年11月25日 15時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
ポンポネッラ(プロフ) - あら!東雲さんと愉快な仲間たちの過去が覗けるなんて.......尊い(ぐへ) 個人的にショタ塾組は神だと思ってます。はい。 (2019年11月25日 4時) (レス) id: 96af192ec7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:運動系引きこもり | 作成日時:2019年11月4日 17時