-十六頁目- 水切り ページ16
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『あれ』を指していたのは川だった。まさか泳ぎ勝負でもするのだろうか…?と思ったAはぶるっと身震いした。だってまだ五月なのだ。少々早すぎるだろう。
「 おい勘違いしてるとこ悪いが違ぇからな。水切りだ水切り 」
「 水切り…? 」
「 そんなんのも知らねェのかよ。ほら、こうやって投げるんだよ 」
そう言って白髪の男の子は川の近くに落ちている石を拾って投げた。するとちょんちょんっとリズムよく石が跳ねて五回くらいで終わった。
Aが感心したように「 おー 」と言い、ぱちぱちと手を叩いた。
松陽に教えてもらい、出来るようになって初めて他の人に見せ褒められてちょっと嬉しい白髪の男の子。
「 やってみろよ 」と言葉を投げかけられるが、Aは焦る。今見ただけでやれっこない、と。
「 …どうやってやるのですか? 」
「 …あ?そんなん今やった通りだろ 」
「 説明雑すぎません? 」
でも白髪の男の子の雰囲気は変わらず、Aを急かしてくる。Aはそれに負けてとりあえず足元に落ちていた石を拾い、投げた。
すると、どうなっただろうか。
木に止まっていた鳥たちは悲鳴を上げるように飛んでいき、奥の方で「ぎゃーー!!」という叫び声と後からぐちゃっという何かが潰された音。
鼻くそほじっていた白髪の男の子の手が止まり、Aは口角が上がったまま固まった。
一秒…二秒…と時間がゆっくり感じた。固まったままの時間から先に抜け出したのは白髪の男の子だった。
「 オイイイ!!どこまで投げた!?なんか奥の方で負の連鎖が続いたような気がするんですけどォ!?どんな力で投げたんだよ!? 」
「 い、いやあ…、随分と力を抜いて投げたつもりだったのですが… 」
石は川の表面を跳ねることなく川を越え、そして奥の方まで飛んでいき、何やらやらかしてしまった。
冷や汗を流すが、二人はキョロキョロと辺りを見回し誰もいないことを確認してその場から逃げ出した。
「 俺知らないからな!何を言われても責任なんて負わないからな! 」
「 えー!酷いです!私だけに責任を押し付けないでくださいよ!!一緒に責任とってくださいよぉ!! 」
「 ぜってぇやだ!!! 」
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**雪音**@テスト嫌だ(。´Д⊂) - わ、そうですよね、不躾な質問をしてしまい申し訳ありませんでした…!!勿論です!これからも応援させていただきます! (2021年1月2日 14時) (レス) id: d23b4dd949 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - **雪音**@テスト嫌だ(。´Д⊂)さん» 初めまして!ありがとうございます。質問の件なのですがそれを言ってしまうとネタバレになってしまうので控えさせていただきます……(><)お答えできず申し訳ないです。それでもまだこの作品を読んでいただけるのなら幸いです (2021年1月2日 11時) (レス) id: 9fef19786d (このIDを非表示/違反報告)
**雪音**@テスト嫌だ(。´Д⊂) - 初めましてコメント失礼します!質問なんですが、弟くんはどうなるのですか? (2021年1月2日 3時) (レス) id: d23b4dd949 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - ポンポネッラさん» コメントありがとうございます!!そうですよね、神ですよ。あの3人組は!いつか高杉さんとヤクルコの話書きたいです← (2019年11月25日 15時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
ポンポネッラ(プロフ) - あら!東雲さんと愉快な仲間たちの過去が覗けるなんて.......尊い(ぐへ) 個人的にショタ塾組は神だと思ってます。はい。 (2019年11月25日 4時) (レス) id: 96af192ec7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:運動系引きこもり | 作成日時:2019年11月4日 17時