松下村塾の悪ガキさん 壱 【銀魂】

-一頁目- 真っ黒な“火” ページ1

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燃やしてやりますよ。


何も出来ないと思わないで下さい。







────高級そうな衣服を纏った少女は目の前の家を虚ろな目で見つめる。手には蝋燭。火はついていてゆらゆら揺れている。



家政婦さん達にバレないように密かに集めていた灯油を家の前に全部ぶっかける。








「 ( …後は、この蝋燭を… ) 」








ふと、手にあった重みがなくなった。
違和感に気づき少女がばっ、と見ると手にあったはずの蝋燭が無くなっていた(・・・・・・・)。




「(え、え？な、なんで無いの？…え？ろ、蝋燭は？)」




混乱していく頭の中、少女の耳に聞き覚えのない声が届いた。







「 子供の火遊びは感心しませんね 」

「 ！ 」







少女はすぐさま後ろに飛ぶ。少女はこんなに自分が飛べるなんて思わなかったらしく、目の前の男を警戒すると同時に自分の身体能力に驚き、目を少し開いていた。


男の手には、先程少女が持っていた蝋燭があった





「 昼間に拾った”東雲“と刺繍された手拭いを早く返しに行こうと周辺を探していたら……、真逆火遊びをしている悪ガキを見つけるとは思いませんでしたよ 」


「 ……お前は、誰なのですか 」



今何時だと思っているんですか、この男。子供も大人も眠る時間、丑三つ時ですよ？



「 ただの流れ者ですよ。
………それに、眠らない大人もいますよ 」


「 ……そう、ですか 」







男は、少女に「貴方は東雲家の人ですか？」と人懐っこい笑顔で言われ、少女は若干戸惑いながらも首を縦に振る。






「 それならば…はい、どうぞ 」


「 …………あのこれ、”東雲“ではありません。”束岡“と刺繍されてありますが 」


「 ……あら 」







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東雲A


姫カットの一つ結び


誰にでも丁寧な敬語で喋る

-二頁目- その流れ者は→

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