-六頁目- 刀を持った白髪の男の子 ページ6
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昨日歩いた路地を真っ直ぐ進んで行った。浮かれているのか、いおりは早足だった。でも何故か路地の奥に近づくにつれ緊張して早足だった速度が落ちた。
「 ( だ、大丈夫でしょうか…。いらっしゃいますよね?いますよね?? ) 」
「 おい 」
急に声が聞こえて、はじかれたように前を見た。すると前にいたのは、明るく澄んだ秋の空のような薄い青色の呉服を着た白髪の男の子だった。
「 お前が松陽の言っていたストレートヘアーの女か 」
「 す、すとれーとへあー? 」
「 ストレートヘアーは俺達天パの天敵だ、そんなお前が松陽の所に行くことなんて出来るわけねーだろ。松陽に会いたければ俺を倒してから行けよ 」
「 よ、よく分かりませんが…、貴方の髪も素敵だと思いますよ。鳥の巣みたいで 」
「 テメッそれ侮辱してんじゃねーか!! 」
「 しっしてませんしてません!ただそれだけはねていれば、朝起きた時に寝癖と見分けがつかないと思うので、もしそのまま誰かに見られても寝癖ではなくこれは“てんぱ”だと言えるなぁ…と思っただけでして! 」
「 やっぱり侮辱してんじゃねーか!! 」
…………初めて話したかもしれない。同年代の子供と。
いおりは道場に通う子供たちは見てきたものの実際には喋ったことがなかった。いきなり喧嘩をふっかけられたとはいえ、初めて話せた感覚が感激すぎて内心はジーン…ときていた。
然し、意識し始めるとなんだかいおりは先程とは別の緊張をしてきた
「 あっあの!!お、お…お名前は…なんと、言うの…で、すか? 」
「 あ?ストレートヘアーに教える義理なんてねーよ 」
折角勇気をだして聞いてみたのに、(言葉で)返り討ちにされた。
そもそも“すとれーとへあー”ってなんですか、“てんぱ”ってなんですか、私はカタカナが苦手なんです。
「 だいたいさぁ、お前」
「 人に何か尋ねられたときは素直に答えましょうね、クソガキ 」
「 ぐえっ!! 」
一瞬にして目の前の男の子が消えた。
いや違った。
ただ地面に埋まっただけだ。
「 うちの生徒がすみませんね、A? 」
「 いえ…むしろお話ができてうれしかったです 」
「 それは良かった 」
「 ………… 」
「 彼を引っ張り出すのをてつだってもらってもいいですか? 」
「 はい、もちろんです 」
大きなたんこぶをつくった白髪の男の子を吉田松陽と一緒に引っ張った。
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**雪音**@テスト嫌だ(。´Д⊂) - わ、そうですよね、不躾な質問をしてしまい申し訳ありませんでした…!!勿論です!これからも応援させていただきます! (2021年1月2日 14時) (レス) id: d23b4dd949 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - **雪音**@テスト嫌だ(。´Д⊂)さん» 初めまして!ありがとうございます。質問の件なのですがそれを言ってしまうとネタバレになってしまうので控えさせていただきます……(><)お答えできず申し訳ないです。それでもまだこの作品を読んでいただけるのなら幸いです (2021年1月2日 11時) (レス) id: 9fef19786d (このIDを非表示/違反報告)
**雪音**@テスト嫌だ(。´Д⊂) - 初めましてコメント失礼します!質問なんですが、弟くんはどうなるのですか? (2021年1月2日 3時) (レス) id: d23b4dd949 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - ポンポネッラさん» コメントありがとうございます!!そうですよね、神ですよ。あの3人組は!いつか高杉さんとヤクルコの話書きたいです← (2019年11月25日 15時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
ポンポネッラ(プロフ) - あら!東雲さんと愉快な仲間たちの過去が覗けるなんて.......尊い(ぐへ) 個人的にショタ塾組は神だと思ってます。はい。 (2019年11月25日 4時) (レス) id: 96af192ec7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:運動系引きこもり | 作成日時:2019年11月4日 17時