幕府のボディーガードさん4【銀魂】

第159訓-■■■篇-九 複雑 ページ9

近藤さんが見せてくれた本には確かにアイツに似たようなキャラクターが二人いた。だが、あまりにもキャラクターのような絵過ぎて、これで似てるとか判断がしにくい。


近藤さんは気にすることなく「俺買ってくる！！」と元気よく言った。………ぜってぇ関係ねーと思うけど。


俺はマガジンを手に取り、レジに並んで買った。



「(さて、これからどーするべきか……。)」


俺は先の見えねェ答えを探しているようだった。
すると携帯が鳴って、開いてみるとまさかの総悟からだった。

……珍しいな。



「どうした。」

『土方さん、』


総悟はいつも通りの冷静な声だった。ムカつくことにどんな感情でアイツが喋ってんのか分かんねぇとこがあるが、この声にはどこか嫌な予感がした。


それは的中し、次に総悟は口にした。








『─────東雲Aが脱獄しやした。』









○○○


【沖田side】



───数時間前の事だった。

俺は、とある豚箱に向かった。その途中、何故か旦那達も豚箱に入ってたが、気にしないでスルーした。


「オイオイオイオイオイ！総悟くぅーん？無視は酷くね？？」

「……なんで旦那達がここに？」

「ンなもん知るかよ！」

「僕達はただ神楽ちゃんを探してただけなのにAさんが連行された後何故か僕達も連行されたんですよ！！」

「へーそいつァごしゅーしょーさま。」



ま、旦那はいつかぜってー犯罪を犯すと思ってたからこれはこれでいいんじゃね。←

あのチャイナのこたァどーでもいいけど、「まー、頑張って下さい」と労いの言葉をかけて俺は旦那達の所を後にした。

後ろから叫び声が聞こえるが、今は旦那よりもあの女だ。

少し暗いこの道を歩く度、音が反響して、ここにいるのは俺だけだと感じさせる。豚箱にぶち込んだやつなんて沢山いるのに。


────もし俺が、姐さんの立ち位置だったら、姐さんは俺の事をオレが思ってるみてーな事、思ってくれるだろうか。





「(っクソ)」




こんな女々しい自分に死ぬ程嫌悪した。


こんな複雑な心境、不器用な姐さんにゃ無理だ、とどこか諦めたように、けれど誰も気づかないような小さなため息をついた。



気が付けば、あの女の所に着いていて。
こちらに背を向け正座をしていた。

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