幕府のボディーガードさん4【銀魂】

第191訓-■■■篇-四一 事件については ページ41

土方さんは煙草を取り出し火をつける。



｢ま、そういうことだ｣

｢待って説明それだけなん？｣



本当にあってはいけないことだが、犯人を逃がすことは良くあることだ。それで、指名手配をする流れとなる。



｢……この書類。連続天人殺人・誘拐事件の件だが、犯人は百鬼凛太郎ってことになってやがる。あれをやったのは一体誰なんだ｣

｢……土方さんらは私を疑っとったんやなかったん？それで捕まえたんやろ？｣

｢それはあの侵入者共の勝手にやった事だ。実際、隊員として働いていたアイツらがな｣

｢というと？｣

｢アイツらが作った偽の証拠でお前を逮捕した。俺や近藤さんはそれを見た時、違和感を感じた｣

｢違和感？｣

｢ああ、それで本当にお前が犯人なのか疑っていた｣



それだ、と土方さんは私の髪を指した。それと同時に、偽の証拠である写真を出す。私が一度捕まった時に見せられたものだ。

しかし当事者である私が、これになんの違和感があるのか分からない。写真は写っている人物が天人を殺しているが、それを見ると私に見える。

首を傾げていると、



｢お前、最近髪伸ばしてるだろ｣

｢…………あ、｣



その一言で気付く。手を頭の後ろにやった。
伸ばしているというか、伸びてきたけど面倒くさくて切っていなかっただけや。

だけどまさか……それだけで？

驚いた目を見せると土方さんはそれを察したのか顔を逸らされた。



｢なぁひじか｣
｢総悟なら訓練所だ｣

｢は？うわっちょっと｣

｢ほら、さっさと行きやがれ！｣



ピシャンッと襖を閉められ追い出された。土方さんの名前をもう一度呼ぶも、返事はしてくれなかった。

土方さんはそんな不確かな違和感で犯人じゃないと疑っていたんか……。でもなんで助けに来てくれたんやろう……。

それに、犯人を凛太郎になっとった理由話とらん……。




｢…………｣



まぁ、いいか。←説明を放棄


それよりも─────



｢(沖田さん……か)｣



気まずくなって、喧嘩して……なんか途中勢いで謝ったような気ィもするけど、その後は……



｢(なんや、行くの気まずい……)｣



土方さんはあの時、私達が喧嘩したとこにおったから沖田さんの居場所教えたんやろうけど。

こうももどかしいような気持ちになったこと、あったやろうか。夏祭りの時銀時と会って、ふぁみれすで仲直りした時はこんなんやなかった。

もっとこう……淡々と？って感じか？


いや、なんか今思えばそん時の私……冷たくない？
え、いや、いやいやいや……




｢そんなとこで何百面相してるんでィ｣


｢……お、沖田さん…！｣

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