幕府のボディーガードさん4【銀魂】

第187訓-■■■篇-三七 まず私達 ページ37

.




私達は埋まっていた女性をそのままにして船から出た。銀時達の事を心残りに、明るい場所に出ると見覚えのある顔があって、砲口がこっちを向いていた(らしい)。

そこで｢｢｢は？｣｣｣ってなっていたら上から影がかかった。

それが、前話の状況。けれど私的には個人個人の状況が気になるわけで──



｢ひ、ひじか｣
｢土方さんはなんでそんなにボロボロに？｣

｢……沖田さん遮らんといて｣

｢姐さんは黙って寝てりゃいいじゃないですかィ｣

｢そ、そんな……おーぼーな…｣



呂律が回らない。でも声からして土方さんと神楽さん、そして百鬼凛太郎がいることは明白だ。お礼を言いたい、謝りたい、事情を知りたい。

私は何とか意識を繋いでいくが、



｢うっ……｣

｢A！？その腕……！｣



また腕から血が流れる。それに気づいた神楽さん達は驚きの声をあげる。

死にはしない。けれど痛みは伴う。こんなに血を流しているのに死なないなんて……。こんな化け物な私を見てほしくなかった。どっかそこら辺に今すぐ投げ捨てて欲しい。



｢(ダメや……思考がマイナスになっていく…)｣



それでも起きていなければと思っていると、鈴〇達央ボイスが耳に届いた。



｢……あ？なんやアンタ、腕取れとるやん｣

｢……？｣



あまりにも普通に言うので、なんというか、不思議な気持ちになった。｢あ、腕って取れるもんなのか｣みたいな(末期)

鈴木〇央ボイスもとい、百鬼凛太郎は｢おい神楽、離せ。お前は猪でもなってろ｣｢誰がフルー〇バスケットネ！！気安く名前を呼ぶんじゃねーヨ！！｣｢うわ気持ち悪っ｣


するとべちゃっと目の前にぶよぶよした物体が突然現れる。私は俵担ぎされていて目線は下にある。



その物体は形を変え────百鬼凛太郎となった。



｢っく……！｣

｢沖田総悟は大人しくしとき｣


担いでるはずの沖田さんは動かない。凛太郎によって動きを止められていた。

何とかして顔を上げると、ソイツは注射器を持っていた。

新八と神楽さんは心配の声を荒らげ、こちらに走りよってくる音が聞こえた。



｢バケモンのアンタが、腕を取られるとはなぁ。まぁあの頭のおかしい弟のせいか。大変やなァ！…？何やその顔｣

｢……いや、さっきのぶよぶよ気持ち悪って思っとった｣

｢刺殺したろかてめー｣



ドス、と腕の傷口(？)に注射器を刺された。不思議と痛みはなく、そのまま眠るように意識を失っていった。




.

第188訓-■■■篇-三八 み■■ら■■ども→←第186訓-■■■篇-三六 言った覚えない

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す