第176訓-■■■篇-二六 残されたのは ページ26
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「俺が覚えてるのはそこまでだ。テメェ、何者だ。なんの目的で……」
「目的ィ?」
「そんなん何度も言っとるやんか。あの女を殺すためや」
Aを見つけてとりあえず逃がした後、俺は目の前の男と戦っていた。
咄嗟のことで上手く状況が判断できてなかったが、アイツは確実に俺を見て動揺していた。
“なんでここに”、というわけではなく“なぜ庇うの”、という表現が正しい。
見ず知らずの人が急に話しかけてきたみたいに────っ!!
まさか……っ!
「ん?何やその顔……。まさかアンタ、今頃気づいたんか?あの女の
「……………殺すのは何故だ」
「依頼やからや。それに某達の悲願でもある」
「悲願?それは」
「じゃあ逆に聞くけど、」
俺の言葉を遮り、凛太郎は言った。
「某も分からんのや。なんでアンタらはあの女を庇うん?某のようなバケモンで………
自分の両親を殺した女やよ?」
「……!」
なんだ、それは。
「自分が縛られ続け、自由を手にする為に自分を育ててくれた親を、自分を愛してくれた親を殺したんや。ただ、自由になるために」
凛太郎の影がゆらゆらと動く。感情が静かに高ぶって来ているのがわかった。
「某は、俺は………二度見た。惨殺に焼死や。
あんなん……この世におったらダメや。ダメな存在や」
「それが、お前達の悲願か?」
「いいや、合っとるけど違う。あの女は存在しちゃいかん存在やけど、某達はただ、あの女さえ殺せればそれでいい。この世なんかどうでもいい」
凛太郎は続ける。何故なのだと。親殺しのアイツをなぜ、と。
俺は煙草を取りだし火をつける。ふぅっ、と煙を出すと真っ直ぐ凛太郎を見た。
親を殺した?そんなんだったら俺の手はどれだけ血で汚れてんだ。
Aを庇う理由……そんなの、
「何も知らねーからだろ」
「は?」
「何も知らねぇ。アイツは自分の事を滅多に話さねェし気になることはあったが聞いちゃいねー。ンなもん聞かなくても今まで関わってきたアイツを俺は………」
「土方さん」
信じることしかできねーだろ
いずれアイツが、Aが、
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「はぁぁ……結局は“光”には抗えんっちゅーことやなァ……。なぁ?…しずき」
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運動系引きこもり(プロフ) - 七瀬未来さん» 七さんへ。字数制限での縮め方は目を瞑りましょう。たくさんの感想を聞けて嬉しかったです。挿絵は頑張りました。もっと褒めて欲しいです。P.S七さんも5巻出せるよう頑張ってください。コメント書きに行きます、 (2021年2月8日 11時) (レス) id: 9fef19786d (このIDを非表示/違反報告)
七瀬未来(プロフ) - 運こへ。東雲さん沖田くんと仲直り出来て良かったです……。あと東雲さんの表情筋が段々と緩んできてるのに読んでる私も頬も緩みました。人形マダオとギャル男とのお話も頑張って下さい!PS.挿絵素晴らしかったです。銀しの推しだったけど沖しのにもグッと来ちゃったよ (2021年2月7日 13時) (レス) id: e97d6b826d (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - 睡眠足りない布団好き女子さん» ようやくこの画像出せたよ……!うん、恋愛って難しいからね(なんで逆ハー書いてる?) (2021年1月21日 23時) (レス) id: 9fef19786d (このIDを非表示/違反報告)
睡眠足りない布団好き女子(プロフ) - あの画像がまさかここで使われるとは.........!! 次が超絶気になる〜!!!! 楽しみにしてマース!! てか、これ逆ハーやったって今思い出した笑 (2021年1月21日 23時) (レス) id: 9e26011d22 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - ポケットの案内人さん» そうですそうです! (2020年9月19日 12時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:運動系引きこもり | 作成日時:2020年4月14日 13時