幕府のボディーガードさん4【銀魂】

第184訓-■■■篇-三四 太字の無駄遣い ページ34

.






｢やばいやばいやばい！！早く逃げないと沈みますよこの船ェ！！｣

｢おいメガネ、旦那達は！｣

｢銀さんなら神楽ちゃんを探しに、姉上達には先に避難してもらいました！｣

｢桃太郎のお話のおじいさんおばあさんみたいな言い方やなぁ｣

｢ちょっと！？この人呑気すぎなんですけど！！｣





ガラガラと崩れそうな音がすぐ迫ってきていた。沖田さんに俵担ぎされながらも、二人の会話が聞こえた。

そういえば、と私は思い出した。神楽さんが捕まっている所を見た。牢の中に入れられていて、私を見て出してとお願いしていた。

でもきっと捕まえたのは私じゃない、しずきや。しずきが変装かなんかして神楽さんを攫ったんやろう。けれどその理由が分からなかった。




｢これどっちに行けば……！？｣

｢メガネ、早くしろィ｣

｢少しは協力してくれません？？｣

｢こっちは女担いでんだ。文句ならこいつに言いいな｣

｢いや勝手に担いだんアンタやんけ｣




そこまで言って唐突に思い出した。(え)
ここは船(らしい？)だけど構造は昔の私の家ときっと似たようにしているんや。

記憶を塗り替えられた私が、混乱しないように。



…………だったら分かるかもしれない。





｢……新八、ここは左に曲がれば出口や｣

｢……………………………………………………えっ｣

｢…何その沈黙｣

｢だってAさん方こ｣
｢違う私は方向音痴やない！！｣

｢太字の無駄遣い｣





失礼なことを言う二人に説明するとちゃんと納得してくれた。

もし読みが当たれば曲がった先には出口がある。しかし同じ構造ならば出口はここと、真反対にある裏口しかない。隠し通路があったけど、それがこの船にあるとは思えない。

なぜなら隠し通路は私が途中で壊さないといけない壁があったから。


そして私達は左へと曲がると、






｢あ、ありましたよ！あれがでぐ──｣





ｺﾞｺﾞ……ドォォンッ！！




ガラガラ……





｢……………………｣

｢……………………｣


｢……ちです……………………って｣









「出口塞がれたんですけどォォォ！！？？」








.

第185訓-■■■篇-三五 埋まっている女性→←第183訓-■■■篇-三三 爆発

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す