第182訓-■■■篇-三二 “核” ページ32
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「しずき、“核”ってなんや……?」
「核は人間でいう心臓だよ。僕達の体の中心部にある。それはビー玉より一回り大きいサイズだったかな。ヒビが入ったり割られたりすると僕達は死ぬ。でも、傷つかなければ死ぬことは無い」
それがたとえ、四肢がもげようと体が真っ二つになろうと、首が彼方へ飛んでいこうと。
“核”が傷つかない限り、死なない。
しずきはそう言った。つまり私はこの事を知らなかったとはいえ東雲である本質が死なない事を分かっていた。
だから、片腕が無くなろうと血があんなに流れようと冷静やったんや。
「……凛太郎はさ、さっきまでの【いおり】をエラーだと思ってたみたいだけど、実際は【A】の方がエラーみたいなものだよ。誰だか分かる?【いおり】を、【A】したの」
「…………」
「ま、それは言わなくても明白か。
さあ姉さん。こっちに来てよ。また、一緒に暮らそうよ」
「………………」
「誰がテメーに姐さんを渡すかよ」
「!」
何も言えずただ呆然としていると沖田さんはしずきに向かって言い放った。その行為に思わず目を開く。
「…………何だって?もしかしてお前、姉さんの事好きなの?」
「っ違いまさァ!!俺はこんな社畜女に発 情するほど飢えてねぇ!名誉毀損で訴えるぞこの魚の目が!!」
「魚の目なんてあるわけないだろう!!僕の肌の健康状態はいつだって完璧だ!姉さんと違って!そっちこそ名誉毀損で訴えるぞ!」
「アンタら、私への名誉毀損で訴えるぞ…」
唐突な(私への)追い打ちやめろ。
しずきはゆっくりと私達に歩み寄る。沖田さんが刀をしずきの首へと運び、寸前で止める。
「意味ないよ。首が飛んだって、僕は生き続けるんだから。……それに沖田総悟、君は僕と同じだよ
姉さんに選ばれなかった一人だから」
沖田さんは黙り込む。ただただ流れる血を沖田さんは押さえてくれる。だから私もその押えている手の上に手を乗せた。
「…………姐さんに選ばれなくったって世界は回るだろ」
「すごく当たり前なこと言っとる」
「僕は回らないね。【A】じゃなく【いおり】だけど」
そう言ってしずきは銃をまたこちらに向ける。
後ろで戦っている銀時たちの声も離れていってる。多分戦いながら移動をしてしまったのやろう。
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運動系引きこもり(プロフ) - 七瀬未来さん» 七さんへ。字数制限での縮め方は目を瞑りましょう。たくさんの感想を聞けて嬉しかったです。挿絵は頑張りました。もっと褒めて欲しいです。P.S七さんも5巻出せるよう頑張ってください。コメント書きに行きます、 (2021年2月8日 11時) (レス) id: 9fef19786d (このIDを非表示/違反報告)
七瀬未来(プロフ) - 運こへ。東雲さん沖田くんと仲直り出来て良かったです……。あと東雲さんの表情筋が段々と緩んできてるのに読んでる私も頬も緩みました。人形マダオとギャル男とのお話も頑張って下さい!PS.挿絵素晴らしかったです。銀しの推しだったけど沖しのにもグッと来ちゃったよ (2021年2月7日 13時) (レス) id: e97d6b826d (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - 睡眠足りない布団好き女子さん» ようやくこの画像出せたよ……!うん、恋愛って難しいからね(なんで逆ハー書いてる?) (2021年1月21日 23時) (レス) id: 9fef19786d (このIDを非表示/違反報告)
睡眠足りない布団好き女子(プロフ) - あの画像がまさかここで使われるとは.........!! 次が超絶気になる〜!!!! 楽しみにしてマース!! てか、これ逆ハーやったって今思い出した笑 (2021年1月21日 23時) (レス) id: 9e26011d22 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - ポケットの案内人さん» そうですそうです! (2020年9月19日 12時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:運動系引きこもり | 作成日時:2020年4月14日 13時