第168訓-■■■篇-十八 捕われの夜兎 ページ18
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「ぬおおお!!ここから出すアルぅぅ!!」
「オイ暴れるな!夜兎め!」
「うるさいアル!!Aーー!!Aはどこネ!?Aを出すアル!!」
部屋に入ると可愛らしい女の子の声が声を荒らげていた。あまりの声の大きさに耳がキンとなる。
隣のしずきはそんないおりを心配していた。
「姉さん、そのチャーハン……。」
「要は大人しくさせればええんやろ?こっそり睡眠薬を入れておいた。効くか分からんけど、お腹すいとったらなんでも食べるやろ。」
「天然な姉さんも可愛い。
(夜兎って言っても野生動物じゃないよ。)」
完全に真逆である。
「コラッ 大人しく……」
「お疲れさん。代わるで。」
「いっいおりさん!この夜兎どうにかしてください!」
「……とりあえず鼻かんで。」
夜兎の相手をしていた男はいおりを見た瞬間顔がぐちゃぐちゃになった。彼もまた、天人によって酷いことをされ続けていた。
すると、横から先程の夜兎の声。いおりはその夜兎を見た。青色の目にサーモンピンクの髪色をしたしずきよりも年下の女の子。
その夜兎は鉄格子の中に入れられていた。中をチラ見見れば生活感がないのか、物が散らばっていた。
「A……?」
「?A?」
大きな目をパチクリとさせて夜兎はいおりを見た。信じられないものを見るような目。
その夜兎はいおりを見るとAと呟いた。
もちろん、いおりにそんな名前の人物は知らなかった。
「……誰と勘違いしとるんか知らんけど、Aって子はここにおらんよ。そんなことよりもお腹すいとるやろ?チャーハン持ってきた。これあげるから大人しくしとき。」
いおりはチャーハンを目の前の夜兎に渡すためにものを入れる時の口があり、そこにチャーハンを入れておいた。
夜兎は未だにいおりを見ていた。
「A……?何言ってるアルカ?早くここから出すネ。一緒に銀ちゃんとこ戻ろうヨ。」
────ザ…
「銀…ちゃん?」
「姉さん。」
ふわり、と優しく耳を包まれる。
「所詮は夜兎の戯れ言。姉さんが耳を貸す必要はないよ。」
「あ……そ、そう、やね。
……夜兎さん。ウチの名前はAやない。いおりっちゅー名前があるんや。覚えてもええことはないけど。」
「行こう、姉さん。」
「ああ。」
「A!!A!!どうしちゃったの?!
Aーーーー!!!」
ガンガン!!
鉄格子に当たっているのだろうか。
あの夜兎の呼ぶ声が酷く懐かしいのは、何故やろう。
またノイズ音が聞こえてきた気がした。
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運動系引きこもり(プロフ) - 七瀬未来さん» 七さんへ。字数制限での縮め方は目を瞑りましょう。たくさんの感想を聞けて嬉しかったです。挿絵は頑張りました。もっと褒めて欲しいです。P.S七さんも5巻出せるよう頑張ってください。コメント書きに行きます、 (2021年2月8日 11時) (レス) id: 9fef19786d (このIDを非表示/違反報告)
七瀬未来(プロフ) - 運こへ。東雲さん沖田くんと仲直り出来て良かったです……。あと東雲さんの表情筋が段々と緩んできてるのに読んでる私も頬も緩みました。人形マダオとギャル男とのお話も頑張って下さい!PS.挿絵素晴らしかったです。銀しの推しだったけど沖しのにもグッと来ちゃったよ (2021年2月7日 13時) (レス) id: e97d6b826d (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - 睡眠足りない布団好き女子さん» ようやくこの画像出せたよ……!うん、恋愛って難しいからね(なんで逆ハー書いてる?) (2021年1月21日 23時) (レス) id: 9fef19786d (このIDを非表示/違反報告)
睡眠足りない布団好き女子(プロフ) - あの画像がまさかここで使われるとは.........!! 次が超絶気になる〜!!!! 楽しみにしてマース!! てか、これ逆ハーやったって今思い出した笑 (2021年1月21日 23時) (レス) id: 9e26011d22 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - ポケットの案内人さん» そうですそうです! (2020年9月19日 12時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:運動系引きこもり | 作成日時:2020年4月14日 13時