第106訓-柳生篇-六 柳生九兵衛 ページ6
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「……大丈夫か。」
「………………痛い。」
何気に心配してくれている土方さん。優しい。
土方さんは電話を切り、煙草を吹かせるのを一旦止めた。さっ、と私の隣に移動し少々荒々しく「こっちを向け」と言われる。え、何?何事?
「?どうし」
「いいから黙ってろ。」
頬を掴まれ、前髪をどかされた。距離がグッと縮まる。違う意味でドキッとした。なになになに怖いよ土方さん。
何をされるか分からない恐怖に顔を強ばらせると、土方さんはポツリと小さな声で、「目立った外傷はねェな。」と言う。
……え?
「……傷、見てくれたんか?ありがとう。気にしんくてもええのに。」
「てめーも一応女だからな。」
「カッコつけとるとこ悪いけど一応ってなんや一応て。」
なんだ、そんなことか。土方さん突飛な行動するんやな。
「(はぁ…びっくりし)」
「この人は僕の大切な人だ。」
「あ"ーーー?チビ助が何ナマ言ってんだ!」
「(次はなんや?!)」
一人の隊士が笠を被った小柄な人に突っかかっていた。笠を被った人は妙さんを庇うように真選組に立ちはだかった。
土方さんが隊士に止めるよう呼びかける。
「おいこれ以上店 騒がせるな。引き上げるぞ。A、後で文寄越せ。
それとガキんちょ お前も来い。お前未成年だろ、こんな店に来ていいと思ってんのか。」
「オイ 貴様 今なんて言った?」
「……!」
一瞬、雰囲気が変わった。チャキ…と刀を抜く音が同時に聞こえ、私のぼんやりした脳内は一気に鮮明に…クリアになった。
目の前にあったガラス棒を掴み小柄な人の刀を防いだ。
ガキィィン…!
「僕は、ガキんちょなんかじゃない。
────柳生 九兵衛だ。」
「きゅ…九ちゃん!?」
金属とぶつかり合う音が響く。
私は刀をおさめるように柳生九兵衛に言った。
「柳生さん、刀…下ろしてくれませんか。」
「…!ほぉ、僕の速さに反応するとは。しかもガラス棒で。……しかし、男が女に護ってもらうとは何事だ?」
「っ」
「……世話になっとる部下護るんも上司の役目や。
土方さん、気にせんでええんよ。」
ギシシ…と音を鳴らしたあと柳生さんは私のガラス棒から刀をひき、しまった。
「…君とはまた、戦ってみたいね。」
「私としてはあんまし戦いたくないのぉ。」
△△△
第107訓-柳生篇-七 文通又は暗殺の恐れ→←第105訓-柳生篇-五 困る困る三角関係
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運動系引きこもり(プロフ) - 無影灯さん» はじめまして!コメントありがとうございます!面白いと言うコメントを頂くとやっぱり嬉しいものです…。はいっこれからも頑張りますね!! (2020年3月12日 17時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
無影灯(プロフ) - はじめまして、お疲れ様です!見やすくて、とても面白いです!これからも応援してます! (2020年3月12日 15時) (レス) id: 7a1223e495 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - 糸針シナさん» シナさんいつもありがとうございます引き継ぎが出来ました。ほんと、お礼したいですいつか。評価の方はこちらで頑張ってみます!ありがとうございました…!!シナさんも更新頑張ってください応援してます…! (2019年11月30日 16時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
糸針シナ(プロフ) - 評価ボタン押せるには押せますが見えませんね…、引き継ぎですが、こちらでできますよ〜!→ https://uranai.nosv.org/favcnt.php (2019年11月30日 16時) (レス) id: 2d5e82106c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:運動系引きこもり | 作成日時:2019年11月30日 15時