検索窓
今日:3 hit、昨日:15 hit、合計:142,472 hit

第106訓-柳生篇-六 柳生九兵衛 ページ6

.





「……大丈夫か。」

「………………痛い。」



何気に心配してくれている土方さん。優しい。
土方さんは電話を切り、煙草を吹かせるのを一旦止めた。さっ、と私の隣に移動し少々荒々しく「こっちを向け」と言われる。え、何?何事?



「?どうし」

「いいから黙ってろ。」



頬を掴まれ、前髪をどかされた。距離がグッと縮まる。違う意味でドキッとした。なになになに怖いよ土方さん。

何をされるか分からない恐怖に顔を強ばらせると、土方さんはポツリと小さな声で、「目立った外傷はねェな。」と言う。



……え?



「……傷、見てくれたんか?ありがとう。気にしんくてもええのに。」

「てめーも一応女だからな。」

「カッコつけとるとこ悪いけど一応ってなんや一応て。」



なんだ、そんなことか。土方さん突飛な行動するんやな。





「(はぁ…びっくりし)」
「この人は僕の大切な人だ。」


「あ"ーーー?チビ助が何ナマ言ってんだ!」


「(次はなんや?!)」




一人の隊士が笠を被った小柄な人に突っかかっていた。笠を被った人は妙さんを庇うように真選組に立ちはだかった。

土方さんが隊士に止めるよう呼びかける。




「おいこれ以上店 騒がせるな。引き上げるぞ。A、後で文寄越せ。
それとガキんちょ お前も来い。お前未成年だろ、こんな店に来ていいと思ってんのか。」


「オイ 貴様 今なんて言った?」


「……!」




一瞬、雰囲気が変わった。チャキ…と刀を抜く音が同時に聞こえ、私のぼんやりした脳内は一気に鮮明に…クリアになった。


目の前にあったガラス棒を掴み小柄な人の刀を防いだ。



ガキィィン…!



「僕は、ガキんちょなんかじゃない。
────柳生 九兵衛だ。」


「きゅ…九ちゃん!?」




金属とぶつかり合う音が響く。
私は刀をおさめるように柳生九兵衛に言った。



「柳生さん、刀…下ろしてくれませんか。」


「…!ほぉ、僕の速さに反応するとは。しかもガラス棒で。……しかし、男が女に護ってもらうとは何事だ?」

「っ」

「……世話になっとる部下護るんも上司の役目や。
土方さん、気にせんでええんよ。」



ギシシ…と音を鳴らしたあと柳生さんは私のガラス棒から刀をひき、しまった。




「…君とはまた、戦ってみたいね。」


「私としてはあんまし戦いたくないのぉ。」







△△△

第107訓-柳生篇-七 文通又は暗殺の恐れ→←第105訓-柳生篇-五 困る困る三角関係



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (150 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
366人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 沖田総悟
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

運動系引きこもり(プロフ) - 無影灯さん» はじめまして!コメントありがとうございます!面白いと言うコメントを頂くとやっぱり嬉しいものです…。はいっこれからも頑張りますね!! (2020年3月12日 17時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
無影灯(プロフ) - はじめまして、お疲れ様です!見やすくて、とても面白いです!これからも応援してます! (2020年3月12日 15時) (レス) id: 7a1223e495 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - 糸針シナさん» シナさんいつもありがとうございます引き継ぎが出来ました。ほんと、お礼したいですいつか。評価の方はこちらで頑張ってみます!ありがとうございました…!!シナさんも更新頑張ってください応援してます…! (2019年11月30日 16時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
糸針シナ(プロフ) - 評価ボタン押せるには押せますが見えませんね…、引き継ぎですが、こちらでできますよ〜!→ https://uranai.nosv.org/favcnt.php (2019年11月30日 16時) (レス) id: 2d5e82106c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:運動系引きこもり | 作成日時:2019年11月30日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。