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第144訓-ミツバ篇-十四 私と仕事どっちが大事なのとか言う女にはジャーマンスープレックス ページ44

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「惚れてたんですよ 本気で。冷たくつっぱねられながら。それでもずっと、野郎の帰りを待ってた ずっと。ようやくフッ切って、ようやく幸せをつかみかけたと思ったらまた、アイツだ。何度も姉上の邪魔をしやがるひでー奴だ。」



溢れ出たコーヒーが床に浸るので、雑巾を貰って拭いていた。銀時が横になっている長椅子にもたれかかるように足を伸ばし床に座っている沖田はゆっくり喋りだした。

Aは目を伏せ、黙って拭きながら聞いていた。



「ひでー奴だよホント…………。

…………分かってまさァ、俺の姉上がひでー奴に惚れるわきゃねーってこと位。
ホントは……分かってた。いつ死ぬともしれねー身で野郎が姉上を受け入れるわきゃねーってこと位。
分かってた。野郎が姉上の幸せを思って拒絶してたこと位。
分かってた。野郎も姉上の幸せを願っていたこと位。
分かってたんですよ俺ァ。でも、癪じゃないですか。

野郎は、気に食わねェ。……気に食わねェ野郎のままでいいんでィ。」



繋がれた沖田の土方とミツバに対する気持ちを聞けた気がする。沖田は「よっこらせ」と立ち上がり隊服を手で持ち肩まで持っていった。

Aは頭の中で悶々としていた。まるで正常に動く機械に異物が入り込みシステムエラーが起きているようだった。

目もぐるぐるし始めた頃、沖田はAに話しかけた。



「……姐さん。俺ァ 近藤さんも姉上も、俺の大事な人みんな野郎に持ってかれて、一人だと思ってた。……でも違いやした。誰も俺から離れていってなんてねェ。溝なんて越えて俺の近くにいた。

………だから、姐さんもふらふらしてねーで“俺達”の所に来てくだせェ。」


「………!」



拭く手を止めると、システムエラーが治まったように思えた。目がぐるぐるするのも治った気がした。

でもまた次の疑問が出てきた。俺達の所に来いとはどういうことなのだろう。



「その大事なもんにアイツも入っちまってんだろ?」

「旦那!」

「さて、眠気覚ましに一丁行きますか。てめーのネーちゃんにも友達だってウソぶっこいちゃったし。最後まで付き合うぜ、総一郎(・・)君。」

「旦那、クマ。」

「うるせェ Aに殴られたんだよ。」



おいおい人のせいにして見栄はんなよ、と思ったが、二人はどうやら行くらしい。私は無事な缶コーヒーを二個持って二人に投げた。



「これ……、」

「行くんならはよ行き。寝たらアカンで?一人で突っ込んでいく土方さん(バカ)にアルゼンチンバックブリーカー決め込んだれ。」

「だからそれプロレス技。」

第145訓-ミツバ篇-十五 友の傍らに寄り添う→←第143訓-ミツバ篇-十三 再開の日はいずれ訪れる



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運動系引きこもり(プロフ) - 無影灯さん» はじめまして!コメントありがとうございます!面白いと言うコメントを頂くとやっぱり嬉しいものです…。はいっこれからも頑張りますね!! (2020年3月12日 17時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
無影灯(プロフ) - はじめまして、お疲れ様です!見やすくて、とても面白いです!これからも応援してます! (2020年3月12日 15時) (レス) id: 7a1223e495 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - 糸針シナさん» シナさんいつもありがとうございます引き継ぎが出来ました。ほんと、お礼したいですいつか。評価の方はこちらで頑張ってみます!ありがとうございました…!!シナさんも更新頑張ってください応援してます…! (2019年11月30日 16時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
糸針シナ(プロフ) - 評価ボタン押せるには押せますが見えませんね…、引き継ぎですが、こちらでできますよ〜!→ https://uranai.nosv.org/favcnt.php (2019年11月30日 16時) (レス) id: 2d5e82106c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:運動系引きこもり | 作成日時:2019年11月30日 15時

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