第121訓-柳生篇-二一 弟は何を思う ページ21
私はとにかく離れて逃げようと走った。新八さんも私に着いてくるように走っていた。このまま離れることが出来れば……、と考えていたが周りの景色を見て重大なことに気づく。
「あの、Aさん。」
「……………なんや?新八さん。」
「ここ何処ですか?」
「…………。」
「ヤバいよやっちゃった迷った!敵地のど真ん中で道に迷っちゃったよ!!」
新八さんは頭を抱えた。私は気まづさに顔をちょっと顰め、首に手を当てた。あまりにも困った顔をしていたので大丈夫かと聞いたら原因は貴方だと正論を突きつけられたので押し黙るしかなかった。
目の前には竹林がある。私たちの今たっている場所には建物が……これは、トイレ?私はその近くに茂みを見つけ、新八さんにとりあえず身を隠そうと促した。
「とりあえずここら辺で土方さん達を待とう。……来るかわからんけど。」
「不穏な言葉残さないでください。」
静寂が私たちを包んだ。こーゆー空気は苦手や。いつも誰かが何かしら騒いどったり、喋っとったりしとるから。
私も何か喋った方がええんやろか。でもお喋りは苦手やし……、姫様に喋るコツ聞いたらなんかコミュ障向けの本を渡されたし。
違うんよ姫様。私はコミュ障やない。
「……Aさん。質問していいですか。」
「ええよ どうしたん?」
「Aさんは何故
「えぇっと……なんで?」
「いえ、ただ気になったので……。」
「………………さっきも言った通り、妙さんに会いたいだけやよ。あんなお別れ納得できんし。“友達でいてね”っちゅう返事もしとらん。ただ、それだけやよ。」
妙さんは私の数少ない友達の一人。言ってて虚しい感じがするが本当のことなのでしょうがない。友達が悲しそうにしとったら手を差し出す。今までの経験上学んだ事。
新八さんは小さくそうですか、と言った。色々と心配しているのだろうか。
「なら新八さん こっちからも質問や。弟は姉に対して何を思っとるんや??」
「え?」
「少なくとも
脳裏に映る闇に飲み込まれていく弟の小さな背中。化け物にしたくない一心でついた嘘。
「Aさん……もしかしてAさんは…」
「やあ こんな所で呑気におしゃべりかい?」
聞き覚えのある声に、私達は同時に振り返った。
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運動系引きこもり(プロフ) - 無影灯さん» はじめまして!コメントありがとうございます!面白いと言うコメントを頂くとやっぱり嬉しいものです…。はいっこれからも頑張りますね!! (2020年3月12日 17時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
無影灯(プロフ) - はじめまして、お疲れ様です!見やすくて、とても面白いです!これからも応援してます! (2020年3月12日 15時) (レス) id: 7a1223e495 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - 糸針シナさん» シナさんいつもありがとうございます引き継ぎが出来ました。ほんと、お礼したいですいつか。評価の方はこちらで頑張ってみます!ありがとうございました…!!シナさんも更新頑張ってください応援してます…! (2019年11月30日 16時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
糸針シナ(プロフ) - 評価ボタン押せるには押せますが見えませんね…、引き継ぎですが、こちらでできますよ〜!→ https://uranai.nosv.org/favcnt.php (2019年11月30日 16時) (レス) id: 2d5e82106c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:運動系引きこもり | 作成日時:2019年11月30日 15時