幕府のボディーガードさん【銀魂】

第43訓　横断歩道を渡るときは右見て左見てもう一度右を見るけどこの時「え、左は見ないの？」って最初皆思うよね？？ ページ43

【Aside】


夜。


書類の仕事も真選組の受け取りも行かず、あっさり仕事放棄をしてしまった。仲良くしたい、そういう子供じみた理由で。

でも私自身の書類は終わってるから、松平の分はやってない。というか自分でやれ、そして死ね。

私が上司(仮)に対する憎悪を心の中で爆発させてやろうかと思った瞬間、私達がいる部屋のドアが鳴った。



「妙ちゃーん？もう準備大丈夫？助っ人の子も。」

「はい。大丈夫です。Aちゃんも私と一緒にいてね。心配することなんてないわ、一人一人仕留めていけばいいんだから。」


「……分かった。」



仕留める…か。頑張ろう、そーゆーのは得意や。




△△△




「そうなんですか〜！それはすごいですね〜！」


「だろ？ほらもっと飲め！そこの新しく入ったおじょーさんも。飲んで飲んで！」


「…いただきます。」



なんなんだこの空気。仕留めろと言われたから懐に短刀(ナイフ)を忍ばせたが妙さんの殺る気配がない。どういうことや？(勘違いしてます)

それが殺る時の作法なのだろうか、



お酒が運ばれてきてお客さんは一気に飲み干した。私は少しだけ飲んでいつ殺るか考える。

すると小声で妙さんが


「Aちゃん、そんな殺気立った雰囲気まとってないでもっとニコニコしてお酒を売るのよ。それでまた来てもらえるように心を仕留めるの。」



「(仕留めるってそういうことやったんか)」



なんとなく理解する。



「お妙さんお願いします！！」

「ったくなんで俺まで…。」



「妙ちゃーん指名入ったよー」



「動物園からゴリラが檻から出てきたのかしら、怖いわ〜。飼い犬もいるわ。」

「誰が飼い犬だ！！」


「妙さんアレ近藤さんと土方さんやと思うんやけど。」



なんのことかしら、といつもの笑みが黒く感じる。あの初めて会った時のように。

近藤さんと土方さんはこちらのテーブルに来てドカッと座る。

「お妙さん今日も美しいです！」と以前会った時とは違う感じで妙さんと話す。少し唖然としてると土方さんが嫌々説明してくれた。



「というか、今日てめー来なかったじゃねェか。」

「それはすまん。妙さんに頼まれたモンでな。」

「……いつまでやってる。」

「仕事か？……閉まるまで手伝う筈やけど、」

「じゃあもうすぐだな。裏口で待ってる。」

「え？ええよ、そんなん。悪いし、」

「女を一人で向かわせるよりかはいいだろ。」

「そのまま帰るつもりねんけど。」

「誰が帰すか」




駄々をこねるAと言い争う土方。そんな光景を見てる妙とボロボロの近藤だった。

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