幕府のボディーガードさん【銀魂】

第24訓　親子ってのは嫌なとこばかり似るもんよ ページ24

なんて事を言ってみるが本心である。私は捕まえる気なんてとうに消えていた。



「嬢ちゃん…俺を見逃すってのかい。」

「私の仕事は将軍様護ることや。将軍様にとって害のある存在を斬る。」



もういいだろうか。理由もないのに私はここにいたくない。今度こそ将軍様の元へ行こうとした。




「……A！」

「！…なんなん、銀時。」


「話てェことがある。……三時だ。明後日の三時に近くのファミレスに来てくれ。」


「…ふぁみれす？」



じゃーなー。とだるそうに言いながら帰っていく。「待ってください銀さん！」と眼鏡クンが銀時を追っかけて行った。源外もいつの間にかいなくなっとった。……もう行ったんやろうーか。


ともかくこんな忙しい時に約束を取り付けられてしまった。別になんとかすれば大丈夫なのだが、話とは一体何なのかと三十秒だけ悩む。



「(まあとりあえず、将軍様のとこ、戻ろか。お祭りの後片づけは警察さん達がやってくれるやろ。)」



…………この後、私が戻ると頭に包帯を巻いた将軍様がおり、原因は自分なのだと分かった時、思いっきり土下座した。※気づいていませんでした。


そんな私を「Aは余を救おうとしたのだ。そう頭を下げる事ではない。」と許してくれたのだ。…………お優しい。



「(いや……Aさんが土下座したところ、頭の部分、畳がへこんでるんだけど…)」←近くにいたモブ。





【お祭り篇 終】




△△△
〈おまけ〉


翌日。町の小さな掲示板に貼られてる紙には源外の顔が書かれていた。それを見る人物が１人。


紫がかった黒髪に笠を被りキセルを持った男。……高杉晋助だ。


そのキセルを吸おうとするとき声が聞こえた。はっきりと聞こえる、凛とした声。




「どうやら失敗したよーだな。」


「！」




同じく笠を被った黒髪の男。…………桂小太郎。

そこの高杉と同じく攘夷浪士だ。だがこの二人は手など組んでいない。むしろ敵対している。




「思わぬ邪魔が入ってな。………牙なんぞとうに失くしたと思っていたがとんだ誤算だったぜ。」


「何かを護るためなら人は誰でも牙をむこうというもの。護るものも何もない。お前はただの獣だ……高杉。」



高杉はフッと笑い

「獣でけっこう。俺に護るものなんざねェよ。必要もない。」


そのまま歩いていった。残された桂は記憶に残る自分と同じ黒髪の彼女を思い出す。いつも笑顔だった。そして共に戦ったかつての戦友。



「(高杉…貴様には護りたいものがあるだろう…)」




綺麗な光……高杉にとっての、照していた──Aを。

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