第25訓 常識知らずは時に人の心を抉る ページ25
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とある食事処で二人の男女が向き合っていた。……いや正確には男の方にもう男女がプラスされている。
三対一。しかも一は女性の方だ。女性は真っ直ぐに先程店員さんが置いていった水をじぃぃぃっと見ていた。
まるで、これは飲んでいいのか?と質問をしたそうに。
女性は思わず男性を見る。男性は冷や汗ダラダラで喉に何かつっかえたのか、何も言えてなかった。
代わりに左隣にいる眼鏡の少年が答えたのだ。
「えっと……東雲さん、それは飲んで大丈夫ですよ。」
「……そうですか。すみません、私慣れてなくて。」
ぐいっと一気に飲み干した。よっぽど喉が乾いていたと分かる。
男性の両隣の少年少女は未だに何も言わないでいるヘタレを横目でジロ、と見た。相手の女性に聞こえない程度の声で喋り始めた。
「銀さん!なにやってるんですか!さっさと言ってくださいよ!」
「だ、だってよォ…なんて言えばいいかわかんねーし……」
「告白前の女子アルかお前。いい加減にしろヨ。ヘタレを見ていてこっちが不愉快ネ。」
「いつからそんなに辛辣になったの??銀さんめっちゃ傷つくんだけど!!」
「とにかく、喧嘩なんて早く仲直りしてしまえばいいじゃないですか。」
「バカヤローこういうのは時間が大切なんだよ。待っていればいずれ、向こうから話しかけてくるかもじゃねーか。」
「自分から呼び出しておいて最低だよこの大人!」
銀さん、男性をそう呼ぶ少年の名は志村新八。眼鏡で眼鏡なツッコミ役だ。
「いや、眼鏡なツッコミってなんだよ。」
何をコソコソと。こんなの呼び出しておいてコソコソするなんて酷いやないか、コソコソと。
目の前の女性、Aは何も写さないその目を少し不満気に細める。
「なぁ、銀時、」
「(ほら来た!)な、なんだ?」
「何を食べるんや?話したい事あるんやろ?やったら何か頼んでからにしよーや。」
「お、おう……じゃあぱふぇで。」
「そっちのお二人さんは?」
「え?僕たちもいいんですか?」と眼鏡新八。神楽は「これとこれとこれとこれと……、」と遠慮なく言う。この差は何なのか。
そのなか銀時はAが何を考えているか分からなかったが、行動を見て直ぐに分かった。腹が減っていたのと、仲間外れにされていたのが少し不満だったことに。
ずっと前からそうだった。自分に素直で純粋なんだと。
昔から変わらないそんなAにちょっと笑みを溢した銀時だった。
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第26訓 テロって聞くと本当に居るの?って思うけど銀魂の世界ならあり得る→←第24訓 親子ってのは嫌なとこばかり似るもんよ
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迷い猫 - 絵うま!!絵うま!!絵うま!!絵うま!!絵う((( 殴面白いです‼頑張ってください! (2021年10月11日 7時) (レス) @page1 id: 0f483562a2 (このIDを非表示/違反報告)
miraiwalk8(プロフ) - ライさん» お褒めに預かり光栄でございますっ!!これからもよろしくお願いしますね!! (2019年6月22日 23時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
ライ(プロフ) - 面白いっ!素敵な作品をありがとうございます。これからも更新頑張って下さい!応援しています。 (2019年6月21日 20時) (レス) id: 2ac506ad59 (このIDを非表示/違反報告)
miraiwalk8(プロフ) - ぽんさん» ありがとうございます!!そのような誉め言葉嬉しい限りです。これからも応援よろしくお願いしますね!(^-^) (2019年6月9日 5時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
ぽん - 初めて拝見させて頂きました ! 文章もわかりやすく、とても読みやすいです。これから物語がどう展開していくか楽しみです ! 応援してます ! (2019年6月9日 0時) (レス) id: d2be23fc95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:運動系引きこもり | 作成日時:2019年5月19日 22時