【黒子のバスケ】入部した動機は超絶不純だけど。

間違えた ページ10

なんということだろうか！
この春野、教室を間違えてしまったではないか！

ザワザワ ザワザワ
ダレダー イチネンカー？


「………あ、あっはは…教室、間違えちったー…あ、あのー…バナナあげますね。てことで、……さよなら！！」


バナナを教室の中に放り投げ、急いで出る。
恐らくこれは史上最速スピードだ。

入学したてで全ッ然、教室とか覚えてなかった…
つーかまたバナナあげちまったし、さっきの教室三年だし…！！

強キャラ感パない眼鏡かけた糸目の先輩と目あったんだがあぁああ……！！

「な、なんか告白する気力失っちまった……ひとまず一年の教室戻ろ。」

てくてくと歩いていく。
教室の前を通りかかるたび、不審な目で私を見るのはほんとやめてほしい。
仕方ないだろ。私だって間違えたくて間違えたわけじゃないんだしさあ！！

「お、やっとついた……」

ガラッ


「おう、戻ってきたか、春野。
早く席につけ」

「うぃーっす。」

担任に言われた通りに、席に座る。
春の陽気が暖かい。
だけど今は、それどころじゃないほどどっと疲れた。


隣のキノコくんが心配している。
なんて可愛いんだこの子は。もし女の子だったら嫁にしたいよ。

授業はツマンナイから、適当に聞き流している。
そうしている間も、三つ編みをクルクルと回していじる。これは、ずっと前からの癖だ。

今日も帰ったら、暇になるな。
そんなことを考えながら、時間はただひたすらに過ぎた。

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