ストーキングしてました ページ9
「___よう」
青峰がいた。
「なんだよ、ゴリ峰…」
「うるせえ、雄叫びバナナ。」
「うわ止めてくれもうあだ名定着したのかよ」
どうやら青峰はサボリにきたらしいな。
つーか、あだ名マジでできちまった……なんだよ雄叫びバナナって…リバースバナナと同格じゃねえか。
「…なあ、青峰よ」
「あぁ…?んだよ。」
はしごを登って、屋根の上に寝そべる青峰に声をかける。
「実はな、俺………桃井ちゃんのことずっとストーキングしてたんだよ」
「………はぁ?」
「同じ帝光中出身だって言っただろ。
中学の入学式……ちょうど今みたいな、桜が咲いてる時期の時、あの子に恋したんだ」
「……それで、どうしたんだよ」
「あの子のことがもっと知りたくて、ストーキングしてたんだ。
勿論、キセキの世代のことは知ってるし、お前のことだって知ってるよ。ダイちゃん」
青峰は、黙ったまま話を聞き入れる。
「俺は、あの子を振り向かせたかった。
だけど、そんな勇気なんて出なかったんだよ」
「……なんでだよ」
「…お前と黒子がいたからさ。
幼馴染みなんておいしいポジションは俺にはなく、あの子の初恋の人というポジションでもない。
ほんとは、心の中では無理なんだなって思ってたんだよ。
なんか、虚し。結局、勝手に恋してたストーカー野郎ってワケかよ…はぁー…」
三つ編みをクルクルといじる。
青峰の顔は見えない。無論、意図も。
「ふーん………だからなんだよ」
「___っは?」
思わず、呆気に取られる。
「まだ付き合ってる訳じゃねえんだろ……付き合う前からウジウジ言ったって、何も意味ねえだろ。」
青峰の言葉が、深く突き刺さる。
ここまで深く伝わるということは、それほど的を射ていたということだ。
それを鵜呑みにせずに、なんになる。
「___そうだよなあ。
青峰、お前って良い奴だなあ!!
じゃあなー!」
「…………。」
なりふり構わず、屋上を出る。
階段を急いで降りて、廊下を走って教室に向かう。
廊下を走るな?知らんな、今時は急いでたら教師も走ってんだぞ。
ガラッッッ
勢いよく、教室の扉を開ける。
扉が重く感じたのは、それだけ思いがあるということだ。
私は、今ここで告げる。
「好きです、桃井さつきさん!!
付き合って下さい!!」
この思いを、君に……あれ?
ザワザワ ザワザワ
クラス、違うくね…?
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しゅん - 面白いです! (2018年6月7日 18時) (レス) id: 32b41a532f (このIDを非表示/違反報告)
未来紡 - コメントありがとうございます!自分では超スローペースだと思っていたので、とても嬉しいです!頑張ります! (2018年3月18日 10時) (レス) id: 8800973e38 (このIDを非表示/違反報告)
ぱやぱや(プロフ) - 流れがサクサク進んでいいですね。更新楽しみにしております(●´ω`●)頑張ってください! (2018年3月18日 9時) (レス) id: 918f2226ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:未来紡 | 作成日時:2018年3月11日 17時