テスト返しの結果は ページ34
「……では、テストを返していく。」
場の全員が、ゴクリと固唾を飲む。
期待する者も、諦念を抱く者もいる。
そんな中で、春野だけは邪な気持ちで期待しまくっていた。
「(よし、こい、こいこいこいこい…!!)」
「__春野、A。」
「はい!!!」
ガタァッ!!!
気合いを入れて席を立つ。
いける筈だ、絶対…(謎の自信)
担任の前へ立ち、わくわくしながら身構えていると……
「__赤点だ。春野。」
ぽん、と担任が私の肩に手を置いた。
そっか、そうなのかあ………
私の双眸からは、静かに一筋の涙が流れた。
嗚呼、無慈悲な神よ……
__
______
夏休み、八月中旬。
この頃は、部活もこなしてるし、何の問題もない。
…ただし、補習を除いて。
「…って、おかしいだろ!!
なんで俺が補習なんだよー!!」
「騒ぐな。うるせーよ」
「お前も赤点なのになに落ち着いてんだよ!!だって、だってさあ…!」
机の上の自分のテストを見る。
中間と期末両方とも、国語は100点。
他の科目も、期末ではちょっと難しかったけどクリア。
なにがいけないって、もう分かるだろ。
__数学、中間テスト2点。期末テスト、0点……
諦めるしかないさ、うん。
せめて、この高校が平均点で赤点がどうか決める制度だったら良かったのに……チッ
「0点って…ぶふっ、リアルでとってくるやついんのかよ……っはははは!!」
「笑ってんじゃねえ馬鹿!!だいたい、お前は__
18点、だと………?」
「………」ドヤァ
「くっ……ま、負けた……!!げふっ」
茶番をしていると、後ろからごんっと頭を叩かれる。
「……真面目にやれよ、春野…!
俺らだって、貴重な時間を裂いて来てるんだからな」
「へっへへ…すんません諏佐パイセン。」
そう怒る諏佐パイセンは、私と青峰の補習を手伝いにきてくれている。
だが、それ以外にも助っ人はいる。
「はーちゃん、青峰くん!
補習、手伝うからね!」
桃井ちゃんと、
「え、えっと……僕でよかったら…」
桜井くん。
どうやら、事前に聞いていた情報では、若松さんも補習らしい。ふはっ。(嘲笑)
今吉さんは、そんな若松さんの補習を手伝いにいっているらしい。
__ということで…
「補習、始めますか!」
「お前が締めてんじゃねえよ」
「あいたっ。」
ばしっ、と青峰からチョップが入れられる。
理不尽!このミク爺が…!
まあ、そんな感じで補習は始まった。
33人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しゅん - 面白いです! (2018年6月7日 18時) (レス) id: 32b41a532f (このIDを非表示/違反報告)
未来紡 - コメントありがとうございます!自分では超スローペースだと思っていたので、とても嬉しいです!頑張ります! (2018年3月18日 10時) (レス) id: 8800973e38 (このIDを非表示/違反報告)
ぱやぱや(プロフ) - 流れがサクサク進んでいいですね。更新楽しみにしております(●´ω`●)頑張ってください! (2018年3月18日 9時) (レス) id: 918f2226ec (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:未来紡 | 作成日時:2018年3月11日 17時