１７５、結婚 ページ25
そして、当日。
10時に待ち合わせて、浴衣に着替え髪型まで整えてもらった。それから昼食や近場のデートスポットなるところで、普通のカップルがするようなデート。
午前中こそ浴衣姿は目立ったものの、時間が遅くなるにつれて同じ姿の人が増え、花火大会の雰囲気が増してきた。
時間前に彼女に連れられてきたのは、花火大会のために作りましたというような川辺にあるレストラン。
景色がよく見えるよう、窓はガラス張りで二人席はすべて外を向いていて隣とは少し離れている贅沢な作り。端に数席だけ4人席がある。
案内された席に座り、ビールで乾杯をする頃に丁度花火が上がり始めた。
野杜「今日はありがとう。いい思い出になったわ」
翔「それはよかった。って、本当に付き合ってただけだけどね」
野杜「ううん。来てくれただけでも嬉しかった。この間ね、相手の人から連絡が来たの。『結婚はしますが、あなたはあなたの好きなように生きてください。不自由はさせませんから』ですって。たぶん、探偵？興信所？か何かで私のこと調べたのかもしれないわね」
翔「私のことって？」
野杜「私が遊んでることぐらい、翔くんだって知ってるでしょ？だから結婚後も好きなようにすればいいってことじゃないかしら？」
翔「そんな…」
野杜「これでもね、結婚したら、ちゃんと家事をしてだんな様を支えるいい妻になろうと思ってたの。ずっとお料理学校にも通ってるし、一通り家のことはできるようにとしてたんだけどね。
まぁいくら紹介でも直接知りもしない人が結婚相手になるんだから、その辺は当然調べるでしょ。だから自業自得かな」
勤めて明るく話そうとしているが、やはり言葉に哀しさが感じられる。
翔「その相手の方に何か事情があるとか？」
野杜「結婚を考えるような相手が他にいるってこと？それは多分ないわ。父はちゃんとそういうことまで確認する人だから。きっと私のことも調べてる。だから早く結婚して落ち着いて欲しいって思ってるんじゃないかしら」
翔「どうするの？」
野杜「どうするも何も…結婚は決まってるんだからどうしようもないわ。私はその道の上を歩くだけ。あ、同情はいらないわよ。有閑マダムになれるんですもの。好きなことして好きなものを買って楽しく過ごすわ」
平然と他人事のように話す彼女の目の奥が少しだけ揺れていた。
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あい(プロフ) - まよゆりさん» まよゆりさん、潤くんのお話のときから！嬉しいです♪ありがとうございます。つながりもお兄さんの優しさも私の願望を爆発させてます。こんな風に助け合い支えあえる人たちがカップルで仲間になってたら最強ですよね。ホントうらやましい♪ (2019年5月18日 5時) (
レス) id: 6cfe9042a6 (このIDを非表示/違反報告)
まよゆり(プロフ) - 潤くんのお話の時から、楽しく読ませてもらってます。それぞれのカップルが出てきて、お話の繋がりが嬉しいです。お兄さん達に大事にされてて羨ましいなぁ。 (2019年5月13日 7時) (レス) id: 9aaaf0ab1d (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - せいこさん» せいこさん、ありがとうございます！主人公ちゃん、翔くんともに頑張りどきです。きっと二人なら野杜さんに負けずに立ち向かっていってくれるはず！今後もお付き合いください♪ (2019年4月27日 5時) (レス) id: 6cfe9042a6 (このIDを非表示/違反報告)
せいこ(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます。野杜さんになんか負けず、しっかり翔くんを捕まえていて欲しいですね。主人公ちゃんも、上を向いて前を見て頑張って！また、更新待ってます。 (2019年4月20日 18時) (レス) id: 40a9623dcc (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 黒衣ちゃん！ありがとうです♪ W萌え＆爆発(笑。そして私も「やだ」 からの翔くんガードの下り好きッス)そんな萌えまくり爆発中の黒衣ちゃんを こっそり覗きに行って楽しみたい。主人公ちゃんの背中押すとこも 観察したい(笑) (2019年4月6日 6時) (レス) id: 6cfe9042a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あい
| 作成日時：2019年3月30日 7時
