葦木場拓斗と音楽家 ��3 ページ15
それから俺は、昼休みも放課後もほぼ毎日音楽室へ通った。
最初はジャズとかわからなかったけど
Aちゃんにコードの本とか貸してもらって勉強した。
クラシック以外も、結構楽しいな。
そんな日々を送っていた矢先だった。
俺の部活謹慎がとけた。
「明日から、部活に戻ることになったんだぁ。だから放課後はもう来れない。
でも昼休みは来れる時は来るから！」
Aちゃんにそう告げた。
「よかったじゃん！でも、昼休みも…ここに来てないで
自転車に集中した方がいいんじゃない？」
えっ。何でそんなこと言うんだろ。
「え〜…Aちゃんは俺と演奏できなくなってもいいのぉ〜…」
ちょっとくらい寂しがってくれるかなって思ったのにな。
「それは残念だけど、葦木場くんの本業は自転車でしょ。
大きい大会もあるんでしょ？
遅れを取り戻さないと…」
「そうだけど…Aちゃんに会えないの寂しいよ」
俺…一緒に演奏するのもだけど…
だんだんAちゃんに会うのが楽しみになってた。
Aちゃんも同じ気持ちで居てくれるって信じてたのにな。
「俺…Aちゃんと一緒にいたいのに」
Aちゃんの手をぎゅっと握った。
女の子にしては大きめの手のひらも、俺と重ねると細くて小さい。
けれど、いっぱいいっぱい練習してきた手。
「離して」
Aちゃんは俺の手を振りほどいて
音楽室を出て行ってしまった。
あれ…俺…まさか…振られた？？？
頭の中にベートーヴェンの運命が鳴り響いた。
---------
フラフラと教室に戻ると、クラスの男子が話しかけてくる。
「お前最近2組の佐伯さんと仲いいんだって？好きなの？付き合ってんの？」
「付き合ってないよっ！！！好きなんかじゃないんだから！！！」
振られたショックで大声を出してしまう。
「そうだよなぁ…なんか葦木場の好きなタイプっぽくなかったからさぁ
それよりお前が前かわいいっていってた里奈ちゃん
お前のファンらしいよ〜。やったな！」
「え？誰だっけ？それ」
そんなことどうでもよかった。
一緒にいて楽しかったのは、心から素敵だって思ったのはAちゃんなのに。
「ああ、それに佐伯さんジャズの勉強のためにアメリカに留学するらしいしな〜」
その台詞に。俺は振られたよりももっと…ショックを受けた。
アメリカ？そんな話…一言も聞いたことがなかった。
Aちゃんにとって俺はその程度の存在だったのか…。
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みらい(プロフ) - bell☆さん» コメントありがとうございます(*´ー｀*)そういえば新開(隼人)さんの方はまだ書いてなかった！思い浮かんだら書いてみます☆ (2019年4月25日 21時) (
レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
bell☆(プロフ) - 色んなシチュでお話が読めてすごく楽しかったです！ 新開さん個人のお話も読んでみたいです(*^^)v (2019年4月18日 22時) (レス) id: 02603f117f (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - Fall ill appleさん» 福富さんのお話の台詞ですかね？笑ってもらえて嬉しい（？）です♪ (2018年9月21日 16時) (レス) id: d3f8aa2276 (このIDを非表示/違反報告)
Fall ill apple(プロフ) - 荒北さんの「やるじゃナーイ！！」に吹き出してしまった…。おネエみたいだったので(笑) すみません。 作品、面白いです！ (2018年9月18日 19時) (レス) id: c31f5fcd9e (このIDを非表示/違反報告)
みらい(プロフ) - 詠琉さん» コメントありがとうございます。悠人くんの話が一番自信がなかったので、そう言ってもらえて本当に嬉しいです！ (2018年3月11日 12時) (レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みらい | 作成日時：2018年1月15日 13時
